広い地球の小さな世界 No,1

 ◆ 海外交流について(2000年1月21日)

トライガンって知ってます?
未来世界、遠くの星に人類が移住してて、その辺境の星での物語なんですが。
 あれで主人公の敵役(?)が「人類の遺伝子を宇宙に広げようなんて、病原菌をばらまくようなものだ」という意味のことをいうんです。
 私はささやかながら日本のおたく文化を英語圏に伝えようと思っています。
 でも、私のやろうとしていることは、「世界中に病気をばらまく」ことなのかもしれません。
 やおいやロリコンといったセクシュアリティの伝播を望むか、といわれたら、「そんなもの辺境の奇病でいいじゃん!」みたいな気持ちもあるわけですよ。
 それらはすでにhentai、yaoiとして広まりつつあるようですね。
 ヴァンパイアはあんまどっちにも関係ないですが。
 でも、日本人はみーんなモリガンやフェリシアのエロ描くのかという誤解はマジありそうです。
 実際、海外の健全を名乗るファンサイトが日本の同人サイトによく片思いリンクしているんですが、見つかりやすいのはやはりヒット数の多いサイトというわけで、大手のエロサイトばっか(笑)
 日本にも地味な健全ファンサイトがあるのですが、多くの外人さんの日本語力ではみつかりません。
 絶対誤解されてますよね、日本。
 誤解を解きたいという気はあります。
 ですが、世界中にヴァンパイアの細かい設定とか伝えて何になるんでしょう?
 もっとも、私がアメコミのファンで、「日本語に訳されてないけど、実は何々には詳しい設定があるんだ」とか海外のファンに聞いたら、「是非! 英語の原文でいい。それを読ませてくれ!」と必死で頼むでしょう。
 というわけで、私は私の立場で海外交流を進めることにします。
 みなさんはどう思いますか?

 ◆ 対戦格闘とヒアリング(2000年1月13日)

 このサイトを立ちあげようと思ったそもそものきっかけは、友人の正岡さんに海外鉄拳ファンの話を聞き、「じゃ、ヴァンパイアにもそういうサイトあるかな」と、英字サイトから「ダークストーカーズ」で、検索したことです。
 そして「ダークストーカーズドメイン」の掲示板で「キャラが50人も出るヴァンパイア4がDCで出るらしいぞ。」「3の移植じゃない? それ」「誰か真実を教えてくれ!」ってな会話が交わされていましたので、「日本人です。多分ガセです。SNKvsCAPCOMの間違いでしょう」と辞書を引き引きカキコ。
 そうしたら、
「わあ、日本人だ。……日本人ならわからないだろうか。常々ぼくたちは疑問に思っているんだ。ダークストーカーズが闘っている最中に何を言っているのか。ぼくたちに理解できるのはデミトリのだけなんだ」
 という返事が来たんです。
 それってもしかして声が吹き替えされていないので
「また遊んであげるわ」や「闇にかえれ」がわからないってやつ?
 それは気の毒に……と辞書を引き引き訳して掲示板にカキコ。
 すごーく喜ばれました。
 翻訳ページにあるのがそれの修正版です。
 そんな感じで掲示板交流を続けているうちに「日本人による海外向けサイトを立ちあげたら、喜ばれるんじゃないか」と思い立ち、こういうことになったんです。
 で……ちょっと疑問なんですが、彼らの耳には「また出直しといで」や「ふっ、弱いな」がどんな風に聞こえていたんでしょう?
 もしかして全編空耳アワー? 
 もしかしなくても、そうでしょうね……。
 文章なら辞書を一生懸命引けば、だいたいの意味は分かるでしょう。でも、ヒアリングは辞書では何ともなりませんよね。
 思い出しますね……その昔、デミトリの「Get my rage!」が日本人の耳にさーっぱり聞き取れず、
「玄米ライス!」「3倍返し!」「絶対イヤ!」「100倍返し!」「死んじゃえ!」「スペシャルカオスフレア!」などとさんざん空耳された事を。
 当然と言えば当然ですが、「デミトリのだけはわかる」ってことは、彼らには難なく「Get my rage!」が聞き取れるんですよね。さすがネイティヴ。
 そして、「悪い子ね……」が聞き取れるこちらはネイティヴジャパニーズ。
 でも、最近はデミトリもバリバリ日本語でちょっと悲しいですね(誰が?)
 ていうか、対戦格闘の吹き替え版を出してあげて下さい、カプコンさん。
 戦闘中に字幕はイヤです……。

 ◆ コスプレと人種(2000年1月8日)

 コスプレにおける「人種」というものを、海外サイトを見ると意識します。
「人種」……言うまでもありませんね。
 昔、キャミイのコスプレイヤーが「本当にキャミイになりたかったら、外人に生まれるしかない」といっていましたが、向こうは外人に生まれた方々です。
(一口に「外人」と言っても、中華系から南欧系、アフリカ系、北欧系と様々です。当然日系とかなら我々とかわりません)
 設定が「東洋人」とくに日本人なら、こっちが本物ですが……。
(がんばれ春麗、レイレイ、隆、さくら……のコスプレイヤー)
 モリガンとか、フェリシアとか、デミトリとか、ジェダとかは……どうあがいても、「ああ、なるほど(英語で)」ですよね……。(血涙)
(逆に薄茶色の髪に灰色の眼で色白の隆はちょっと……いや、愛は認めるよ。)
 つまり、コスプレジャンルを「ヴァンパイア」に絞ると日本人はすごーく不利なのです。
 勝負じゃないとはいっても……ねえ。
「人種」とコスプレについて考えると思い出してしまうのが……実写版スト2です。
 黒髪のバルログ(ベガ)には「おお、なるほど」と衝撃を受けました。
「確かにスペイン人だ!」
 原作の彼には似てませんが、本物って気はしましたね。
 また、以前海外の劇団が来日公演した「ウエストサイドストーリー」を見にいって驚きました。
 あれ、人種の違いからいがみ合う若者たちの話なんですが、日本人が演じると「どっちも同じ顔」です。
 で、海外の劇団の舞台を生で見たら……「確かにこれはけんかになるな」でした。
 骨格から違いました。右側の集団と左側の集団……。
 翻訳小説を読む方々はわかりますよね。様々な人種が混在する米国の人は、「人種」により敏感です。
 だから、設定的に「日本人ではない」キャラの方々は、「人種的に似ていないかもしれないけど、私はこのキャラが好きで、コスプレをしています」という「ファン活動」として受け取られることになるのでしょうか。もちろん「似ていないけど、かわいい」と言われる可能性もありますよ。

 それから、企業の主催するコスプレパーティである「コスパ」が開催された理由のひとつは、社長によると「アメリカのハロウィンが凄いと思ったから」だそうです。
 映画とミュージカルとハロウィンの国、それがアメリカ。

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