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 調教〜TRAIN(トレーン)〜S−1

「おのれ、またしても!」

漆黒の中作戦失敗の報を聞いたシスタージルは、その唇を口惜しそうに噛みしめた。

「それだけあんたの部下が無能揃いだってことさ」

難癖をつけてくる部下を一瞥で黙らせ、新たなる刺客を求めた。

「誰か、私を喜ばせる事ができるヤツはいないのか!宿敵キューティーハニーを抹殺し、空中元素固定装置を私の元に持ってくる事ができるヤツは!」

澱んだ空気がわずかに揺らいだかと思うと、苔むした岩場から一つの影が現れた。

「私目にお任せ下さい、ジル様」
「お前は?」

今までの部下とは少し雰囲気の違う、その美しい姿をした見慣れぬ部下に素性を尋ねた。

「トレーンクローと申します。必ずやジル様のご期待に応えられるかと」

銀色の髪をしたその女は、恭しく跪き、血のように赤い唇から自分の名を告げた。その淫靡な姿はシスタージルですら一瞬言葉を失うほどのものであった。

「・・・自信がありそうだな。しかし、あやつは手強いぞ?」
「存じております。今までの刺客が全く歯が立たなかったという、とてつもなく強い小娘だとか・・・。」
「なにか手だてでも?」
「そのハニーとて “女”でございましょう?」
「なに?」

その場にいる者全員、いやトレーンクロー以外の全員には、彼女の言葉の意味が理解ができなかった。

しかし、それ以上の質問は叶わなかった。

「必ずやハニーをこの手に・・・」

と言う言葉を残して、新たなる刺客は消えていたのである。

「トレーン・・・?・・・!。TRAIN、調教・・・か」

漆黒の闇からは、返事はなかった。
その夜、漆黒の空に女の笑い声が響いた。

それは陵辱劇の始まりを知らせる狼煙であったのか。


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