人食い

悪魔超人というと、他人を何らかの形で「取り込む」というイメージがあります。口愛期のサディズムに満ち溢れた連中が多いというか。他人の長所を自分のものにする、摂取性同一化というか。今回は、この点について簡単に書きます。

『キン肉マン』の悪魔超人

「あーっと ミスターカーメン くらいついたまま はなれない…!!」6巻
キン肉マン (12)』文庫版

上の引用文は、カーメンの首が、ブロッケンJrの肩に、かじりついているときのアナウンスです。血が滴り落ちるほど、深く噛んでいます。

ストレートに食人という表現はありませんが、悪魔超人は他人から何かを奪う連中が多いです。
ミスターカーメンの体液吸い取りとか、バッファローマンの体力吸い取りとか。
アシュラマンの両腕いただきとか。
ニンジャのブロッケンJrの顔面コピーとか。
スニゲーターも人食いです。アトランティスは、あの容姿ですが、かみつき攻撃とかはなく、相手を出血大量に追い込む攻撃があるくらいです。
スグルを取り込んだ、ブラックホールは間違いなく人食いです。
ジェロニモの体内取り込みをやらかす、サンシャインも、人食いっぽいです。多くの超人を取り込んだ、プラネットマンもそうです。
悪魔将軍はいうまでもなく、人食いです。アシュラマンが、食われていました。

ステカセキングは、他人の能力を「取り込む」のでしょう。

マウンテンやジャンクマンは違います。「力で叩き潰す無機物系」の迫力です。スプリングマンもこっちの系統でしょう。

『キン肉マンII世』の悪魔超人

レックスキングは、人食いです。
チェック・メイトは、「何かを奪って、自分のものにする」という印象がありません。ジャンクマンやマウンテンと同じ、「力で叩き潰す無機物系」の悪魔超人のようです。もしかしたら「万太郎から女性人気を奪ったので悪魔」という話なんでしょうか。

コンステレーションも、体力吸い取りとかしますね。ゲッパーランドは、人食いでしょう。

ザ・ニンジャは悪魔の種子編で、悪魔超人に殺された者がいるはずの、骸柱の中にいました。ハンゾウは悪魔超人だったのか? という疑問がわきますが、お面頂戴とかするハンゾウには、悪魔超人歴があったのかもしれません。

究極のタッグ編で、スカーフェイスが自分を悪魔超人と名乗っていましたが、異名頂戴とかするスカーフェイスは、ちょっとだけ、悪魔超人っぽいので、一時期悪魔超人だったのかもしれません。少しの間、サンシャインの下にいたとかでしょうか。

まとめ

他の超人を取り込む超人が、悪魔超人とは限らないし、悪魔超人でも、無機物系はまた違いますが、「悪魔超人は他の超人を食う」という法則は、確実にあるでしょう。特に『キン肉マン』に顕著です。

こういう「人食い」は、キリスト教徒の考える「悪魔」ではないんですよね。「悪魔」は霊的な存在で、金などで人を誘惑し、魂を求めて契約します。あるいは、人に憑きます。しかし、「悪魔超人」は、日本の人食い鬼をひとひねりした感じです。
西洋でもギリシャ神話やヨーロッパの民話等には、こういう人食い鬼の話がよくあります。「ジャックと豆のつる」に出てくる鬼も、人食いです。ギリシアやローマの神話ならば、わが子を食うサトゥルヌスとか。
「悪魔」のイメージからは外れますが、「人食い鬼」はより普遍的なので、日本の小学生相手ならば、これが正解でしょう。

サタンのみが「悪魔」で、悪魔超人は「悪魔憑き」か「吸血鬼」なのかもしれません。が、その考察は別の機会にしましょう。


初出2007.12.18 改訂2007.12.19

Back Index