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  「西へ」 −バーシア アナザーエンド−             場面18

■フェルナンデス 4月2日 昼  安宿

結局ビデオのことは聞き忘れたままで、前日は眠ってしまった。
次の日は寝坊をしたようで、目覚めたのは昼前だった。
ミサキは大人しく眠っていたが、バーシアの姿は既になかった。
例の客のもとへ出かけたのか…
冷静に考えてみる。
オレたちと接点があって、ビデオテープなんぞを送りつけてこれる奴なんぞほとんど居ないはずだ。
なぜワザワザこんな手の込んだことをしようとするのか。
なんだか嫌な予感がする。オレは、デッキに挿入し、恐る恐る再生ボタンを押した。

カチャリ……ウィィ〜〜〜ン


砂嵐だった画面が変わり、革製の拘束具で厳しく締め付けられて、床に転がされているバーシアの姿があった。目には憎悪の炎が赤くともり、カメラのほうを睨みつけている。

【[主人公]】「こ…これは、一体…」

その時、画面が大きく揺れる。ガサゴソという雑音もマイクが拾っているので、ビデオカメラの位置を調整したようだった。

【[男]】D「これで…よし…と」

そう言うと、画面中央に、見知らぬ男が現れる。これが例の金持ち野郎か…確か名前はスタークと言ったか。
長身細身の男で、金持ちだけあって身なりは品のいい装飾で固められている。歩くたびに、金物の音がカチャカチャ鳴るんじゃないかと心配になるくらいだ。
それに対し、バーシアは丸裸で、おまけに雁字搦めに拘束され、芋虫のように床に転がされているのだ。

【[スターク]】「姫君、ご気分麗しく」

妙に丁寧な語り口調だが、どこか癇に障るところがあるしゃべり方だ。

【[バーシア]】「フン…こんな風に縛り上げておいて、気分も機嫌もあるわけがない!」

【[スターク]】「いえいえ、これから貴女の身に加えられることを考えますと、いっそ、縛られたほうが諦めがついて、安心して責めに身を任せられるかと思いましてね。プレイは華麗で優雅であるべきなのですよ」
【[バーシア]】「フン!」

スタークが、先ほど仕掛けたカメラを指差して、バーシアに説明する。

【[スターク]】「今日は、特別にプレイの様子を撮影しようと思いましてね。一週間耐え抜いた記念、とでも言いましょうか。そうですね…もし出来が良いようでしたら、ご家族にもプレゼントしようと思いましてね…クク」
【[バーシア]】「そ、そんなの……やめて!」
【[スターク]】「おや? 貴女ともあろう人が、そんなに嫌がるなんて…それはイイ! 是非とも撮影は継続しなければ!」
【[バーシア]】「くっ……」

床に片頬をつけて、スタークを見上げえる格好になるバーシアの表情が、一層厳しくなる。手が自由ならば、真っ先に八つ裂きにしてやる!とでも言いたげな様子だ。
スタークという奴は、こういう風に女性の反応を見ながら、嫌がることを見つけては、嬉々として、傷口に塩を塗りこむやり方でねちねちいたぶるタイプなのだろう。
バーシアも、それが分かっているようで、一瞬しまったという顔をしたが、もう後の祭りである。
この嗜虐者を喜ばせないために、どんな責め苦をされても弱音を見せずに耐えぬかねばならないなんて…

【[スターク]】「いやいや…撮影の継続だけでは物足りませんね…そうだ」

スタークが、指を鳴らして合図をすると、部屋の隅に控えていたのか、メイドが何人かやってきて、更に2台のビデオカメラをセットしていく。
コイツ…バーシアを同性の前で、晒し者にしていたのか?
それに、バーシアが嫌がった途端に、カメラの量をふやすなんて…やはりどこかおかしいのか…

【[スターク]】「様々なアングルから、貴女の一部始終を漏らさず撮影させてもらいますよ。貴女の身体のありとあらゆる反応をね…クク」
【[バーシア]】「なんて人なの…」
【[スターク]】「それに、ここに控えている召使には、貴女の大事なところを常に最大ズームで撮り続けることを指示しますから…大切なご主人に痴態を見られたくないのなら…」
【[バーシア]】「…どうしろというんだ?」
【[スターク]】「極めて簡単なことです。何をされても眉一本動かさず我慢すればいいのですよ。ハハハ」
【[バーシア]】「ぐっ……」

ビデオの中のバーシアは、聞くんじゃなかったと苦虫を噛み潰したような顔を見せている。

【[スターク]】「最高級の集音マイクも3本、サラウンドで狙っていますので、万が一でも感じてイヤらしいお汁の染み出す音すら立てられませんからね…どうです、最高のステージでしょう?」

それもこんなクズ野郎が相手なら当然か。しかし、こんな並外れた変態相手に、いったいバーシアはどんな責め苦を負わされてきたのだ?

【[スターク]】「しかし…そううまく我慢できますかな? 初日から既に一週間。与えられるのは薬と生殺しのみで…そろそろ肉体だけでなく、精神的にも限界に来ているのではありませんか?」
【[バーシア]】「う、うるさい!」
【[スターク]】「ほぉ。まだそんな事が言えますか。並みの女なら一日で音を上げる責めを連続一週間も続けられているというのに…全くどこで鍛えあげられてきたのやら。でも、そのほうが私の楽しみも増すというもの。貴女は非常に興味深い素材ですよ」
【[バーシア]】「フン……」
【[スターク]】「最初に申し上げたとおり、この責め苦から開放する条件は一つです。あなたが今いるご主人の元を去り、私の5番目の愛人となることです。その決断さえしていただければ、すぐにでも欲求不満を解消してあげますが」
【[バーシア]】「やリ方が、汚すぎるわね…」
【[スターク]】「ほぉ…では、ご返事は?」
【[バーシア]】「No。残念ながら…」
【[スターク]】「フッ…結構です。では、今日も始めるとしましょう。いつもと同じようにね…ククク…全く同じようにね」
【[バーシア]】「くっ…また…」

バーシアが歯を食いしばるなんて、何が始まるというのだ?

ビデオのアングルが変わる。どうやら数台のVTRの映像を編集してあるようだ。

【[スターク]】「では、カギをココに」

スタークが再び配下のメイドを呼びつける。一人のメイドが銀のトレイを持ってやってきた。大小さまざまあるカギの中から、銀のカギを取り上げる。

【[スターク]】「では、貴女の内なる快楽の炎を封じ込めていたモノを解除してあげましょう。さぞや辛かったでしょう…ククク」

よく見ると、バーシアの股間には、銀色に輝く貞操帯が取り付けられている。いや、それだけではない。
乳房もすっぽり覆い隠すように、革製のブラジャーで、ピッチリ隙間無く包まれているのだ。これは胸用の貞操帯か。
つまり、バーシアは快楽源の全てを忌まわしい貞操帯にて封じられていたことになる。
カチャリという音とともに、まずは胸を覆っていたモノが外される。

【[スターク]】「ほぉ…いい具合に汗で蒸れて…革の匂いと交じり合って立ち上るこの香りは…なんとも素晴らしいですねぇ」

バーシアの乳房は、汗でねっとり滑っている。そこに顔を近づけて、匂いをかいでいるのだ。くそっ…変態野郎め!
しかし、バーシアの胸の頂上には、見慣れない異物が光っていた。乳首に食い込むように金属製のリングが、嵌めつけられているのだった。
ピアスとか穴を開けて通すタイプではなく、あくまでも乳首を締め上げて、刺激を与えるやや太めのリングであった。
バーシアの形の良い乳首にキッチリ食い込んでいるリングは、日常の立ち居振る舞いのあらゆる局面で、むず痒い刺激を与え続けるような狡猾な責め具であろう。
胸をゆさぶった程度では、到底外れる気配は無い。

【[スターク]】「貞操帯のおかけで、上からいじることはできませんが、この二つのリングが呼吸するたびに、甘い刺激を与えてくれて、退屈はしなかったでしょう」

そう言いながら、スタークはリングを指先で、ピンと弾く。

【[バーシア]】「ぐはっ!!!」

顔をしかめて、うめくバーシア。
冗談じゃない!あんな淫具を使われて、一日中放置されたら、一体どうなるか…
そのリングも、特殊な器具を使い、スタークは慎重に外していく。おそらくは、あの器具じゃないと絶対に外せないような代物なんだろう。
両乳首を今まで責めたてていたリングが外されただけでも、バーシアは、ほっと息を吐き出したように見えた。

【[スターク]】「では、下のほうも、解放してあげますか」

股間に食い込む貞操帯にも、カチャリとカギを入れ、外していく。ドロリと恥蜜があふれだす。なぜなら、バーシアのヴァギナとアナルには、かなり大きめの張り型が、栓をするかのように埋め込まれていたからだ。

【[主人公]】「くっ…バーシアの奴、あんな格好のまま、帰宅されられていたのか」

オレがいつしか、拳を握り締めたまま、画面を食い入るように、見つめていた。

ずりゅっ……

スタークが、前後に埋められた張り型を引き抜く。たっぷりと汁気に塗れているため、引き抜くだけでも、じゅぷじゅぷと卑猥な音が鳴り響いている。

【[スターク]】「フフ…ここ、しっかり撮るんだよ…録音もキチンとね…」

そんなバーシアを恥辱の奈落へ突き落とそうとすべく、メイドにこまめに指示を与えている。とんだディレクター気取りか。

【[スターク]】「貴女のオマ●コに、収まっていたバイブですよ。ほら、御覧なさい。いつものように恥ずかしいオツユが、こんなに」
【[バーシア]】「くっ……」
【[スターク]】「涼しい顔をしていても、中はこんなにグチョグチョでイヤらしいなんて…フフ、貴女はやはりとびきりの淫乱マゾですね」

これ見よがしにバイブをバーシアの顔に近づけて、くどくどと説明している。
ねっとりと付着した大量の蜜が、ドロリと滴り落ちて床に染みを作っている。

【[スターク]】「では、身体の自由が完全に封じられた貴女に代わって、存分に隅々まで愛撫してあげますから…もっと気分が乗ってくるようにね…ククク」

スタークが手を挙げると、数人のメイドが近寄ってくる。手に全員手袋をはめている。
かなりの美形揃いだが、表情からは何も感じられない。スタークの命じるままに動く人形というところだろうか? 反抗できないように洗脳すらされているのかも知れない。
次の合図で、全員が大きな薬瓶からドロリとした溶液を手にとり、バーシアの身体に塗り始めた。
まるで薬が皮膚全てを覆い尽くすように、丹念に手分けをして塗りこんでいくのだった。
【[バーシア]】「あひっ…ひくっ…冷たい!」
【[スターク]】「直に熱くなってきますよ…クク」

上半身は、乳房はもちろん、肩口から二の腕、脇の下に到るまで。
下半身は蜜壺の中とアナルは一人が専任し、それ以外の太腿から足の裏に到るまで、溶液を伸ばしている。
また頭部担当のメイドは耳の穴や、うなじはもちろん、時折バーシアの口にも、口移しで飲ませているようだ。

【[バーシア]】「ああっ…くうっ…んん…」

バーシアを陥落させるためだけに、執拗なまでに組まれた包囲網。
それに対し、バーシアは単身、拘束され疲れきった体ひとつで立ち向かわねばならないのだ。

【[スターク]】「フフ……」

いつの間にかスタークは、そんなメイド達の様子を机に座って、ブランデーグラスを傾けながら、ニヤニヤして眺めている。
背後からはどこかで聞いたことのある室内楽曲が聞こえてくる。
どっしりといすに座り、目の前の宴を見守る様は、映画でいうとディレクター、オーケストラでいけば指揮者気取りか。
自分が直接手をくださず、手足に指示するだけで、それが自分の意図どおり進むさまをん眺めるのが至高の快楽。

メイド達は、スタークの指示どおりに手馴れた動作で作業を進めていく。
手馴れた…?  まさか、いつもバーシアにこんな事を…

【[スターク]】「どうかね? 催淫クリームのお味は? 聞くところによると、以前にも客とのプレイで同じようなものを使われたようだが、まぁ、町人連中とは、財力も情報ネットワークも違うもんでね… ”本物”の良さを貴女に味わってもらおうと、より純度の高いものを、ワザワザ購入してあげたんだからね。イヤ、高かったんだよ。なんせ一つの蔵を潰したんだからね。というわけで、この薬は貴女専用なんだから、骨身にしみるほどに堪能してくれたまえ。ククク…」
【[バーシア]】「ハァ…ハァ…それは、ご丁寧に…」
【[スターク]】「一週間も連続して浴びていれば、身体が慣れてくるとでも考えたら大間違い。これは逆に身体の奥に蓄積していくタイプですから。いつまでも強情張っていると本当に気がおかしくなるかも知れませんよ…クク」

スタークは、特等席に悠然と構えてながら、とうとうとしゃべっている。
バーシアだけが妖しげなくリームを身体中にまぶされ、床に転がされているのだ。
片手にグラスを持ち、含み笑いをしながら、まるで動物か何かを見るような目つきでバーシアを見下ろしている。
バーシアという上等の獲物を得、好きなように弄ぶことができて、愉快で堪らないのだろう。
このサディストにとって、口では貴女などと言ってはいるが、女性が対等な立場に立つことは考えられないに違いない。

【[スターク]】「さぁ、今日も特上の媚薬を身体の隅々まで塗りこまれ、幾ら気丈な君のこととは言え、少しは堪えているでしょう。しかも、今日で一週間連続。その一触即発の火薬庫と化した身体で、我々と相対してもらわなければならないわけですが…」

口では幾ら強気を装っているバーシアも、大量の催淫剤に、べっとり額に汗をにじませ、快感の嵐に翻弄されかかっている様子だ。
秘所からは、早くも苦悶の蜜が床に垂れ落ち、べっとりと艶かしい染みを作っている。
まずいな…

【[スターク]】「では、女共、始めなさい。いつもと全く同じようにね…強すぎもせず、弱すぎもせず…ククク」

カランと、手に持つグラスの中の氷が鳴る音を合図に、十人以上のメイドが一斉にバーシアの身体に群がっていく。
手には綿棒をやや大きくしたような道具を持っているようだ。


【[主人公]】「クソ、一体何を始めようというんだ!」

画面を食い入るように見つめながらも、オレは一歩も動くことができない…

そうしている間も画面の中のメイド達は、手にした小道具の先に例の媚薬を再びたっぷり塗りつけ、バーシアの身体を愛撫し始めるのだ。

【[バーシア]】「はぁ…くぅ…うう…」

傷ついた獣がうめくような押し殺した声を漏らすバーシア。声を幾ら出すまいとしても、どうにもならないのか。

メイド10人20本の手の先の責め具が、身体中に秘められたバーシアの性感帯を狙っては、その全てを浮かび上げらせようと細身の裸体に群がっているのだ。
両乳首の先を、円を描くようにクリクリ回しているものもあれば、うなじから鎖骨のくぼみにかけて、撫でているものもいる。また、足の指の間や、手の指の間に責め具を細やかに差し入れている者もいる。
更には耳の穴、脇の下、足の裏、うなじ、内股、ふくらはぎ、と綿棒が襲い掛かっていない箇所はないと思えるくらである。
しかも愛撫の仕方が手馴れており、メイドと言っても、どうやら単なる素人集団ではないようだ。
おそらくこういう時のために調練を繰り返され、統制された手練れの調教師軍団といってもいいのだろう。
そんな責めを媚薬に痺れきった体一つで甘受させられているなんて…バーシア!

【[バーシア]】「ううっ…くっぅ…くふっ…うん…ああ…」

そんな調教集団相手に、幾らバーシアといえども、いつまで耐え切ることができるのだろうか?
それでも、バーシアは、ギリギリと歯を食いしばって必死に耐えている。
しかし、鼻から漏れる火の出そうな息は、彼女が快楽境を彷徨っていることを正直に物語っている証なのだろう。
メイド達の責め手は、もちろん下半身にも抜かりなく伸びている。
バーシアの秘所には、3人がかり、系6本の綿棒で埋め尽くされ、執拗に出し入れされているし、アナルに埋められた4本の責め具は、大きく”の”の字を書くように、ゆったりかき回されている。
その上に息づく肉芽にも、包皮の上から優しくタッチされ、休み無く刺激が与えられているのだ。
しかし、その何れもが、焦れったくなるような緩慢な動きで、バーシアが決して絶頂を極めることができないように、計算されつくした動作なのである。
薬で、発情させたバーシアの官能を掻き乱し、絶頂寸前で固定しながらも、絶対に満足はさせない陰湿極まりない生殺し責め。

【[スターク]】「では、姫君。まだまだ時間はたっぷりありますので、今日も時間一杯、まったりと過ごしましょう。このままでね…クク。まぁ、もちろん貴女が降参するならば、少し趣向を変える用意はありますが」
【[バーシア]】「お生憎様…うぐぅ…アナタの思い通りには…ウウッ…ならないわ」
【[スターク]】「強がりですか? 別に構いませんよ、私は。どうぞ、退屈で飽きてきたら、欠伸のひとつでもしてくださいね…ククク」
【[バーシア]】「ううっ…くっ…」

そういうやり取りが行われている間も、メイドの名を借りた有能な調教師達が、バーシアの身体を蝕むことだけに集中し、淡々と自分達の仕事を進めていく。
穂先の薬を塗り終わり、代わりに苦悶の汗をたっぷり吸い取った頃には、薬瓶に漬けて新たな薬を補充してから、再び切ないような刺激を与えつづけているのだ。
この点に関しては、責め手が女であるだけに、かえって徹底していると言えた。
男の場合、どうしても責め手自身が欲情してしまい、責めに多少のぶれが生じるものだが、このメイド達は機械的なまでの正確さでバーシアを追い上げることだけに集中しているのだ。
まるで、マッサージ師が、無感情に、客の身体だけを丁寧に揉み解していくようなものだである。

【[スターク]】「どうですかな? メイド達のサービス具合は? 彼女達も一人一人が自らの身体を実験台にして同様の責めを繰り返し受けているのです。女性がどういった部分を感じるのか、どうすれば感じ、更には絶頂を与えないためには、どうすればよいのか…自らの身でイヤというほど味わっているのですからね…中には頭がおかしくなったものも居ましたが、ここに残っているのはその中でも選りすぐりの精鋭。そんな彼女達に念入りなサービスを受けて…ご満足していただけておりますか?」
【[バーシア]】「くぅ…な、何を…あぐぅ…んんぐ…はぁ…はぁ…んぐ…」

性感を高ぶらせるだけ高ぶらせておいて、9合目いや9.9合目まで上げておいてから、昇りつめることも、下に降りることも許さない無限地獄。
バーシアは、こんな吐き気がするような責め苦を一週間も受けつづけているというのか?
【[スターク]】「もう、オッパイやオマ●コが、しこってたまらないのでしょう。メチャクチャに弄りまわしたくて、どうしようもないのでしょう? しかし、今の貴女はギチギチに拘束されて、その自由はないのです。逆に帰宅したときは、手足の自由はあるが、特製の貞操帯が、性感帯に触れることを許さないのです」
【[バーシア]】「くふっ…うう…だ、ダマレ!」
【[スターク]】「健気な貴女のことです。家に帰っても心配させまいと、亭主に泣きつくこともせず、一人で耐え抜こうと決心していたんでしょう?」
【[バーシア]】「くっ……」

バーシア…そうなのか…?
確かにこの一週間、バーシアの様子は変だった。
寝苦しそうに何度も寝返りを打ったり、やたらと寝汗をかいていたり…
一度なんかは、バーシアの身体に触ろうとしたら、『疲れているから、やめて!』と、猛烈に抗議されたんで、そのときは休ませておいたほうがいいかと思ったんだが…
こんな卑劣な焦らし責めを受け、疼ききった身体を、オレに触られるのが怖かったんだな…触られた途端に、遂本音を漏らし、助けを呼びそうで…
アイツは、一人でそんなに苦しんでいたのか…何故もっと早く気付いてやらなかったんだ!

【[スターク]】「このヴィデオ、もしかしたら今、貴女の亭主が見ているかもしれませんよ…どうです?言えなかった想いを、ここで正直にぶちまけてみるというのは?」
【[バーシア]】「ふ、ふざけないで…そんなこと死んでもするもんですか!」
【[スターク]】「しかし、貴女のそんな苦境に、気付きもしないのでしょう? 幾ら言葉にしなくても、愛している女性が貞操帯を着けられて帰ってきて、気付かないってことは有り得ないでしょう?」
【[バーシア]】「…そ、それは…」

クソ! バーシアが動揺するようなことばかり、わざと言いやがって!

【[スターク]】「そんな亭主放っておいて、私の愛人になりませんか? そうすれば、死んでもいいと思えるほど気持ちよくイキまくらせてあげますから…いい条件でしょう?」
【[バーシア]】「……」
【[スターク]】「さぁ、言ってしまいなさい?」

少し押し黙ったバーシアであったが、その侮蔑の言葉に残されたわずかな闘志に火がついたようだった。

【[バーシア]】「うっ…オマエの言いなりになど…くっ…誰がなるものか…うぐっ!」

快楽に押し流されそうになるのを、なんとか鉄の意志で跳ね除け、じっと耐え忍びながらもバーシアは言い放った。
しかし、官能の炎を前に、その鉄の意志も溶け落ちる寸前。
喘ぎ声を漏らしながらの、相当苦しい宣戦布告であったが、バーシアにとって選択できうる唯一残された選択肢であった。
そんな身体で…バーシア、お前って奴は…

【[スターク]】「私は別に構いませんよ。ひたすら待つだけですから…貴女が心の底から快楽に屈伏するのをね」
【[バーシア]】「がふっ…くぅ…ああ…くひっ…そ、そんなこと…」
【[スターク]】「ううん? でも、かなり気分が出てきているんじゃないですか? 下の割れ目も、パクパクと物欲しそうにうめいていますよ」

アップされた画面から見える秘所は、溢れ出る愛液の間でだらしなく緩んでいるようだ。重なる愛撫の前に、とっくに痺れきったそれは、バーシアの意思とは無関係に、メイド達の責めを求め、もっともっとと戦慄いているようだった。
もっともバーシア自らも手や足の指が空を掴むように、閉じたり開いたりという動作を繰り返している。
全身拘束された不自由な裸身で、唯一自由になる所を、気休め程度に揺さぶりたてるしか出来ないバーシア。
身体の奥から掻きむしられる程、狂おしい官能の疼きと対峙しているということか。

【[バーシア]】「くぅ…ああ…うう…ダメ…」

転落を要求する肉体と、がんとして拒む心の狭間で、七転八倒するバーシア。
口元からはだらしなく涎が垂れ落ち、床には既に汗と体液で水溜りができている。
その上で発情した一匹の牝が、狂い果てたように蠢いているのだ。
いや、正確には狂い果てては居ない。狂ってしまわないように最後の抵抗を見せているのであった。

【[スターク]】「もう一押し…かな?」

ボソリとカメラの側でスタークは、つぶやき目でメイドの一人に目で合図を送る。
すぐさま、外に飛び出し、帰ってきたときには、一人の赤ん坊を抱いていた。
あれは…ミサキじゃないか!
そうだ、確か昨日はオレも居なかったので、バーシアが屋敷まで連れて行ってたんだっけ…

【[メイド]】D「スターク様、この娘がむずかって、どうしようもありませんの」

メイドの一人は、さも困ったように、顔を傾かせながら話し掛ける。
しかし、その口調は、最初から用意されたシナリオに沿った、抑揚のないものだった。

【[スターク]】「おや…それは困りましたね。でも、この娘の母親はこの通り、取り込み中ですので…もう少し、君が大事に御守してください」
【[メイド]】D「でも、隣の部屋まで、お母さんの恥ずかしい声が聞こえるせいか、落ち着かなくて…この方にも、もう少し母親らしい慎みを持っていただかないと…」
【[スターク]】「コレ、大切なお客様にそんな失礼なことを言うんじゃありませんよ。フフ…これでも随分我慢なさっているんですからね…ククク」

メイドがバーシアを見る目つきは、凍て付くような冷たいものである。
これも筋書きどおりなのか!?
しかし、ミサキは本当にぐずっている。
子供ならではの直感めいたもので、母親の危機が分かるというのだろうか?
なんと言っても、バーシアが血を分けた我が子のように、愛情を注ぎ込んで育てた子供なのである。

【[バーシア]】「くっ…オマエら…汚いぞ…ミ、ミサキに手を出すな!」
【[スターク]】「私は紳士です。約束どおり、お子様も大切にお預かりし、このようにメイドに命じて子守りをさせていましたから。お母様の楽しいプレイ中はね」
【[スターク]】「でも、この部屋に連れて来ないなんて約束は、しておりませんし、母親を想って泣く子がいれば、一目母に合わせる。これは人として当たり前の行いではありませんかな?」

バーシアとて、全身雁字搦めに拘束された上に、よってたかって色責めをされている様子など、ミサキには死んでも見せたくはないはずだ。
それにしても、スタークという奴、今日に限って撮影をすると決めた時点で、母親と娘を対面させるというシナリオを考えていたのかもしれない。
バーシアを性欲だけでなく、徹底的な羞恥心で縛りあげるために。

【[ミサキ]】D「ばぶばぶ…うきゅ…うわ〜〜〜ん」

その場の異様な雰囲気に飲まれ、遂には泣き出してしまうミサキ。

【[バーシア]】「クソッ! この戒めを解け! 早く!」
【[スターク]】「フフ…愛娘の前で、まるで芋虫のように転がるだけとは、惨めなものですね。でも、そんな姿が最高にお似合いですよ」
【[バーシア]】「は、放せ〜〜〜!!!」
【[スターク]】「そんな大きな声をあげたら、ミサキちゃんが驚いて、ますます泣き出しますよ。母親としてオッパイのひとつでも吸わせてあげつのが嗜みというものではありませんか?」
【[バーシア]】「う、うるさい!」
【[スターク]】「フフ…では、その口を少し封じるために…おい、お前達、この方へのサービスをこれまで以上に濃厚にしてあげなさい」

スタークは、舞台の中央で、好きなように指揮棒を振るうコンダクターのように、メイドに指示を与えていく。

【[スターク]】「ではたっぷり蜜を搾り取ってあげなさい。これくらいで限界なんてことは無いはず。まだまだ耐えられますよ、この人は。でも、決して絶頂は迎えさせないようにコントロールするのです」

再びメイドたちが、バーシアへの攻撃を開始する。

【[バーシア]】「くっ…あひっ…うう」
【[スターク]】「愛娘の前で、のたうち、涙する…バーシア、貴女には、屈辱の舞台がお似合いですよ。怒りや憎しみに駆られながらも、快楽に堕ちていく不様さがね!」

【[バーシア]】「くっ…ああ…くそ…ど、どうして……ぐはっ!」
【[スターク]】「時間一杯これを続けたら、いつものように薬をもう一度塗りこんで、貞操帯で気持ちいいところを封印して家に帰してあげます。フフ…せいぜい家の中でも満たされぬ焦燥の中で悶え苦しみぬくのです!」
【[バーシア]】「くっ………」
【[スターク]】「そして眠れぬまま朝を迎えたら、またこちらに来て、全く同じ一日の繰り返し…ククク…貴女が私のモノになるまでは、ね! ハハハ…明日がダメでも、また次の日、更に次の日があるのですよ。一体いつまで持つのですかな? そうやっても貴女に勝ち目はありませんよ…グハハハ!!!」

ミサキの泣き声と重なるようにスタークの高笑いが響き渡るのだった。

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ブツン!

リモコンを投げつけるようにして、電源を切る。

【[主人公]】「なんだ…この胸糞の悪くなるような内容は!」

何とか怒りを爆発させないようにするのが精一杯である。
しかし、思い出しても、腸が煮えくりかえる内容だ。
こんなヴィデオをわざわざ送りつけてくるなんて、筋金入りの変態野郎じゃないか!
そんな奴に今日もバーシアは苦しめられているというのか!?

【[主人公]】「ふざけるな! アイツがこんな目にあっていると分かった以上、もう二度とあの屋敷には行かせるものか!」

まだバーシアが、帰ってくるまで時間がある。オレはそれまで待つことにした。
長い一日だった。

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