妄想小説に戻る


  「西へ」 −バーシア アナザーエンド−             場面20

■ バーシア 4月11日 夜  屋敷地下

【[バーシア]】「くふ…あふっ…ううむ!!…はぁはぁ…」

あれからどれくらい時間が経ったのだろう?
ワタシの周りは、暗闇が覆いかぶさり、視界を遮っているため、今が昼なのか、それとも夜なのかそれすらも定かではない。

【[バーシア]】「うぐっ…はぁはぁ…ふぅぐっ!」

奪われているのは視界だけではない。
聴覚も、だ。耳にも何か詰め物がされているようで外界の音は一切聞こえない。
更には身体の自由も全く失われている。
指先一本まで動かせないくらい厳重に縄掛けされた上に、数種類の拘束具を嵌められ、その上から何重にも袋に封じられてしまっている。
縄掛けはプロの技らしく血流が止まらないようにはされているようだが、長らく動かせない手足の先はとっくに痺れきって感覚がない。
口にも詰めモノをされた状態では、もちろん喋ることもできない。
何重にもかぶせられた袋の隙間から、わずかに空気を取り入れることはできるが、まるで肉の塊にでもされてしまったようである。
そんなワタシに唯一残された感覚といえば…気の狂うような性感だけなのである。

【[バーシア]】「フグっ…ううっ……はむっ!」

蒸し暑い袋の中が濡れて、べっとりと肌に張り付くのは、汗のせいばかりではない。
例の媚薬が大量に塗られたまま、袋詰めにされているからであった。
その媚薬に狂わされた身体を、ギッチリと縄目が締め付け、呼吸をするたびに肌をこすりあげてくるのだ。
それだけではない。
一番内側の袋の内側には、無数の小さな瘤があり、身体が触れるたびに、そこから甘い刺激が湧き上がるのである。
つまり他人から何かされずとも、自らが呼吸し、その甘美な刺激から逃れようと身体をよじらせばよじらすほど深みに堕ちて行くという狡猾な仕掛け。
その中でワタシはもう日数も分からぬくらい長い間、孤独な戦いを続けているのである。
【[バーシア]】「ふー、ふー…うぐっ……ああぐっ…」

いくら身体を沈めようとしても、塗りたくられた媚薬がそれを許してはくれない。
しかも、股間とアナルには張り型が埋め込まれたままである。
動きこそしていないが、敏感な粘膜をギュルルと常に圧迫してくるのだ。
それに今のワタシには、いっそ動いてくれたほうが…

【[バーシア]】(くっ…また…どうして……)

身体中を覆う縄目と突起は官能を掻き立てはするが、決して最終的な満足は与えてくれない。
最初から2週間にわたる長期間の生殺し責めのため、少しくらいの刺激では絶頂に達しない身体にされているのかもしれなかった。
股間の張り型も同様である。
もっと強く…と思っても厳重に拘束されていては1ミリも揺さぶることができず、せつないくらいの焦れったさしか与えてはくれないのだ。

【[バーシア]】(かはっ…お…おかしくなる…くっ…でも…でも…)

あの狂った金持ちは、本当にワタシを色情狂にしたてあげるつもりかもしれない。
ワタシがセックスしか考えられない女に洗脳し、自分の前にひざまずかせるのを今も期待しながら待っているのかもしれない。
でも…そんなことは絶対に…
しかしひりつくような媚薬の成分がワタシの心を犯してゆく…
くっ…助けて…アナタ…


そのときだった。
目の前が急に明るくなってくる!
袋が開かれているのである。
首から上だけを袋の上に出され、久しぶりの外気に晒される。
続いて耳にはまっていた器具が取り除かれ、音も聞こえるようになる。
しかし、耳に入ってきたのは聞きたくもない声だった。

【[スターク]】「どうですかな、気分は? お姫様」

周りの明るさに目を慣らしながらも、声のしたほうを向くとスタークが数人のメイドとともに立っていた。

【[バーシア]】「ううっ!」
【[スターク]】「おっとこれは失礼! まだ口の枷が残っていましたな」

口の中で限界いっぱいまで広がっていたボールギャグを外し、更にはその奥に丁寧に詰め込まれていた布切れまで取り除かれて、ようやく一息つくことができた。

【[バーシア]】「はぁ…はぁ…はぁ…スターク…」
【[スターク]】「ほぉ…どうやら自我はまだ残っているようですね。驚きましたよ。この責めを一週間も続けれたら、大抵はおかしくなってしまうものなのですが…さすがは私が見込んだだけの素材ですね、バーシア」
【[バーシア]】「はぐっ…はぁはぁ…どうしてこんなことを…」
【[スターク]】「どうして? それはこちらが聞きたいですね。 ワタシが持って帰れといったビデオを途中で捨てたりして…そのお仕置きですよ」
【[バーシア]】「そんなことくらいで…」
【[スターク]】「そんなことくらい? どう思うかは貴女のご自由ですが、性分として自分の意のままにならない者は…キライでしてね…」

顔をゆがませながら、スタークが近づいてくる。

【[スターク]】「貴女がルール違反を犯すなら、こちらもそれ相応の対応をとらせていただこうと検討の結果、貴女に屋敷に駐留していただくことに決めたのです」
【[バーシア]】「ぐっ…笑わせるわね…立派な監禁じゃない」
【[スターク]】「なかなか減らず口が直りませんね。普通はどんな気丈な女でも泣いて許しを請うんですけどね…一体何が貴女を支えているのやら」

その言葉にドキッと胸が熱くなる。
ワタシを支えているもの…それは…

【[スターク]】「では…もう一度聞きます。私の愛人になりますか?」
【[バーシア]】「はぁはぁはぁ…イヤよ!」
【[スターク]】「ほう…まだそんなことが言えますか…そんなに息が上がって、しかも身体はこれほど淫らに発情しているというのに…」

ぐっと袋越しにスタークが胸に指を沈める。

【[バーシア]】「ぐはっ!!! ダ、ダメ…やめ…ろ…」
【[スターク]】「体はこんなにボロボロじゃないですか、それなのにどうして我慢するのです? 楽になりませんか?」
【[バーシア]】「…オマエの…知ったことじゃ…ハァハァ…ない」

やっとのことで、それだけを言うと卑劣な男をにらみつける。

【[スターク]】「はぁ…では、やむを得ませんね…」

それだけ言うとスタークはメイドに命じ、何やら注射器を手にする。
一体なんなの…怖い…

【[スターク]】「これは、直接内部から精神に働きかける薬でしてね…簡単な話、快楽をむさぼるためだけの肉体になるように身体を作り変える実験段階の薬なのです。
もちろん催淫成分もこれまでの塗り薬の比じゃないんですが、一つ問題がありましてね…」

スタークはそこで言葉を切り、こちらの反応を垣間見る。

【[スターク]】「壊れるんですよ」
【[バーシア]】「!?」
【[スターク]】「使われた女性はね。実験段階では、100%精神に異常をきたしたと聞いています。そのあまりの効き目のためにね。通常の女性の精神構造では、持たないんですよ。そのほかにも内臓系の副作用の報告もあって…」

なんて薬なの…それをワタシに使うというのか…くっ…

【[スターク]】「これを使ってください、と私に頼みなさい」
【[バーシア]】「え!?」

一瞬何を言われたのか分からない。
そんなワタシの戸惑いを汲み取るかのように、もう一度スタークが繰り返す。

【[スターク]】「だから、私にこれを使ってと請えと言っているのです」
【[バーシア]】「ど、どうしてそんな真似を!」
【[スターク]】「どうして…まぁそれは貴女の口から言ってもらいたいからですね。なんせ大変な薬ですからね、使った後で恨まれたくないもので…」
【[バーシア]】「ふざけるな!」

おどけた様子でスタークが言い返す。

【[スターク]】「別にふざけてなんか居ませんよ…クク…それはそうと貴女には亭主と可愛い娘さんが居ましたよね〜」
【[バーシア]】「!! な、なにを…うぐっ…」
【[スターク]】「調べたところに寄ると、貴女方は逃亡中の身というじゃありませんか…しかも軍から」
【[バーシア]】「……」
【[スターク]】「貴女さえこれを飲んでくださったら、ご主人と娘さんの身の安全は保障しますよ。私も軍は好きじゃありませんからね…駆け込んでポイントを稼ぐ気など毛頭ありませんから。約束は守る男ですからね…クク」

なんて奴なの…しかし、そこまで知られているとすれば…
ああ…

【[スターク]】「どうなんですか、バーシア? うつかうたないか…?」

ああ…許して…

【[バーシア]】「分かった。うつわ…うって…」

これで…ワタシは…

ようやく満足そうにスタークは笑う。

【[スターク]】「それでこそ、バーシアだ。でも貴女のことだ…もしかしたらこれを使われても耐え切ることができるかもしれませんよ…そうですね…飽くなき生への執着というようなものがあればね…クク」

ワタシは静かに目をつぶる。
プスッとワタシの首筋に運命を変える薬液が投与される。
これで…終わりなの…? 
イヤ…ワタシにはミサキが…そして会わねばならぬ人が…

【[スターク]】「約束は守りますからね…安心して淫獣に身を堕としてください」

全ての薬液が注入され、様子を見守るスターク。
たちまち混濁していく意識の中で、わずかに残った自我でアイツの顔を強く念じる…
でも…でも…次第に顔の輪郭が崩れて…わからなくなっていってしまう。

【[バーシア]】「ダ…ダメ……」

必ず…きっと…

妄想小説に戻る   戻る    進む