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 序章 その1

 高橋清治は、体操そっちのけだった。何故なら、目の前ではティーシャツ姿の紺野顕子が、椰子の実のような双乳を惜しげもなく振り回しながら準備体操をしているのだ。体操どころではなかった。顕子の胸の揺れる様を一瞬たりとも逃すまいと、清治は食い入るように見つめる。

 腰を回す運動をするために、顕子は上半身をそらしている。無論視線は上の方を向いているため、清治の視線には気が付いていない。一方の清治は、上を向いた顕子の双乳をじっくりと堪能する。

 ……最高だあ、顕子先生
 運動着の股間は、激しくいきり立っている。清治はこの頃オナニーを覚えたばかりだ。故に、赤く擦り剥けるほど毎晩狂ったようにオナニーに励んでいる。いや、励まざるを得ないのだ。なにせ、清治の担任は驚くほど胸の大きな紺野顕子というまだ24歳の若い女教師なのだ。しかも乳の大きさだけが取り柄の、セクシー・アイドルなどとは完全に違う、極めて美しい女性でもあったのだ。奧二重で黒目がちなアーモンド型の瞳。長く形の良い睫毛。顔の中心線を過たず通るすっきりとした小振りの鼻。そしてその鼻の上には、愛らしくも雀斑の名残が微かに残っている。肌の色素が薄いので、日に焼けるとどうしても出てしまうのだ。そこがまた顕子の若々しさ、清冽さを強調している。また、美しい顔を彩る背中の中程までのばした黒髪は、時にポニー・テイルに、時には白いリボンでまとめ上げられ、機能的且つ美しく顕子を演出した。

 ……今日も顕子先生を想っていっぱい出します!
 勝手に心の中で顕子その人に誓う。事実、今晩はこの顕子の姿で3発は確実だろう。
 ……ああ!顕子先生のおっぱい!

 今度はその場で跳躍する運動になった。顕子の乳は、彼女がジャンプする度に重々しく上下に揺れた。ティーシャツは布地が薄いものだった。大きなサイズのブラジャーがくっきりと見えている。そこがまた清治を興奮させる。さらに、後ろで無造作に束ねられたポニー・テイルが律動的に揺れるのがまた堪らない。

 ……先生!先生!先生!
 清治の息は激しくなる一方だった。動悸すらしてくる。それだけ今日の顕子はそそるのだ。そして、顕子が屈伸運動のために前屈みになった瞬間。

 ……ああ!
 清治にはティーシャツの襟元から、顕子の胸元が見えた。白のブラジャーの布地が足りないのか、顕子の胸が規格外なのか。ほとんど乳首の周りだけに張り付くような下着。そして、あまりにも自己主張が過ぎる、椰子の実のような白い豊乳……。

 ……あう!う!
 初めて覗き見る顕子の胸元に、清治の体は素直にそして激しく反応した。一度も触ってもいないのに射精が始まったのだ。

 その体育の時間中、清治は濡れた下着と格闘し続ける羽目になったのは言うまでもなかった。

 体育が終わり、次の授業のために清治達は自分たちの教室に入った。5年2組の教室は体育後の妙な開放感でいっぱいに満たされていた。ほとんどの生徒が机に付かずに、立ち話やプロレスごっこの様なじゃれあいをしていた。清治は体育が終わるとすぐに便所に行って自分のパンツをティッシュで拭いてきた。だが、大の方のトイレでその作業をしているときに、とんでもない会話を耳にしたため、机に付くことも出来ずに教室中を油断無く見回すのであった。

 教室の中に先ほどの会話の主がいるはずだった。何故なら、その会話の主達は、顕子を担任と称したのだ。

 大のトイレに入ってまもなく、二人連れがトイレに入ってくるのが解った。清治はなんとなく生理的に大の方に入っていたという事実を知られるのがいやで、しばらくじっとして外に聞き耳を立てていた。すると、その二人連れは全く大用のトイレに気を払う風もなく、小用を足しながら、会話をはじめた。

 「いつもながら俺たちの担任はたまんねえ乳してるぜ」
 「ほんとになあ。一回でいいから、俺のちんちん挟んで欲しいぜ!」
 「くくく、今度の林間学校には……」
 「ああ、ばっちり紺野を俺たちの女にしてやる」

 そこまで聞いて清治は、先ほど顕子を見ていたときと同じように心臓が激しく動くのを感じた。どこかで聞いたことのある声だった。担任と顕子を言った訳だから、同じクラスの人間だろう。だが、はっきりと誰かまでは解らなかった。このクラスになってから、まだ2月程度だ。全く話したことのないクラスメイトもまだ居たのだ。

 二人がトイレを出ていったのを確認して、大急ぎで後を追ってトイレを出たが、もうその辺りには誰も居なかった。
 ……畜生!俺の憧れの顕子先生を好き勝手にされてたまるか!
 清治はそんな思いで教室中の男子生徒を睨み回している。

 「おい、高橋。おまえよう」
 急に肩を背後から叩かれて、清治は声をあげそうになった。自分が攻めの気分でいっぱいの時に不意を突かれると、人間はもろいものだ。

 「あ、牧田くんか」
 悪戯っぽい笑みを浮かべて清治の後ろに立って居たのは、牧田淳であった。牧田は小学生の割に大柄で、スポーツも勉強も何でも出来るいわゆる優等生タイプだった。清治とは今年の四月に初めて同じクラスになった仲であり、あまり親しいわけではない。

 「高橋、おまえ、さっきの体育でずっと紺野を見てたよな」
 いきなりそんなことを言われて清治は絶句した。自分が食い入るように顕子を見ていたことを牧田は気づいていたのだ。さらに、清治が思わず射精したことも気が付いているかも知れない。

 「そ、そんなことないよ」
 声が完全に裏返ってしまって、清治は慌てて口を閉じた。

 「いいんだって。俺も見てたんだからよ。紺野の奴、ホント遠慮会釈の無い乳してるよなあ」
 牧田はすべて知っているんだ、と言わんばかりのなれなれしさで清治に話しかける。

 「んで、ものは相談なんだが。高橋、おまえ俺たちの仲間にはいんねえか」
 「……仲間?」
 「そうだ。今ここでは詳しくは教えてはやれねえけど、興味があるんなら、放課後寒河江の家に来い」
 「どういうこと?」
 「おまえにとってもいい話を教えてやる。だから、出来れば来いよ。待ってるぜ」

 そのとき顕子が教室に入ってきた。まだ席に着いていなかった生徒達が蜘蛛の子を散らすように一斉に自分の席目掛けて走り出す。その騒ぎに呑み込まれるようにいつの間にか牧田は清治の隣から姿を消していた。自分の右斜め後ろの方にある牧田の席を振り返ると、何事もなかったかのように、神妙な顔で席に着いていた。

 ……寒河江君か……。
 清治は牧田が言った仲間という言葉について考えはじめる。寒河江の家に来いといったと言うことは、確実に寒河江健介はその仲間に入っているのだろう。

 ……一体何をする仲間なのかな?俺が顕子先生を見つめていたということで誘われたんだから、きっと顕子先生に関するものだと思うけどそれ以上考えても答えは出るはずはなかった。清治に与えられている情報は少なすぎるのだ。とにかく今日寒河江の家に行けばそのすべてに答えが得られるはずだと、清治は考えることをやめた。授業に集中しようと教科書を持ち直す。不意に、顕子と目があった。どきっとするのと同時に、先ほどの顕子のあられもない姿を思いだした。

 今顕子はティーシャツから着替えて、白いブラウスにパンツルックである。だが、ブラウスの胸元を持ち上げている隆起は、ティーシャツと何ら変わるところはないのだ。ただ、その胸が揺れているか揺れていないかの違いだ。

 ……ああ!また、勃起してしまった
 自分と目があった途端罰が悪そうに下を向いた清治を見て、顕子の薄く雀斑の残る若々しい意志的な美貌は、怪訝そうに歪んだ。だが、それまでだった。顕子はいちいちそんなことに関わってはいられないと授業のスピードを上げた。そして授業はその後も淡々と進んでいった。

 ……顕子先生!
 清治はいつも通りの顕子の姿に今までにないほどの性的刺激を感じていた。いたいほどに勃起したペニスを、ジーパンのポケットに手を入れてそっと周りに気が付かれないように扱き出す。顕子が板書をするその際のパンツルックの上からわかるパンティラインやブラジャーのホックを見ながら、清治の行為は熱を帯びていった。
 そして、そんな清治を、牧田は満足げに眺めていたのであった。
 
 学校が終わって、清治は寒河江の家を訪ねた。

 寒河江の家につくと母親が出てきて、子供部屋に案内された。そこにはすでに牧田の言う仲間たちが集まっていた。

 「な?来ただろう」
 自慢げに牧田が寒河江ともう一人の仲間である北原斉に言ってみせた。

 「まあ、こっち来て座れよ」
 寒河江がそう言って清治を部屋に招き入れた。清治はなんとなくこの場の雰囲気に気後れしながら、牧田の隣に腰を下ろした。途端にぎょっとする。子供部屋の床に何気に置かれている雑誌類は、明らかに海外の無修正のいわゆる裏本だった。

 「あははは、そうびっくりすんなよ。俺たちはここでこういう本を読んで色々研究してんだよ」
 牧田が大声で笑う。清治は雑誌の上に置いた視線をそのままにしていた。無造作に広げられたページに思わず見入ってしまったのだ。

 「ああ、これか。でっかいだろう?どうも、あっちの方では、こうやって大きい胸の女はちんちんを挟み込んで扱くのが流行ってるみたいだな」
 牧田はうっとりとした声を出した。

 「すごい。すごいな。おっぱいでちんちん挟むなんて」
 清治がそう言って食い入るように雑誌を見ているのを見ながら寒河江が声をかけた。

 「高橋。おまえ、こういうでかいおっぱい大好きだよな?」
 一瞬言葉に詰まる。だが、清治はこの部屋にいる者たちは自分と同じ嗜好を持つ者たちばかりなのだと気づいていたから、臆せずに頷いた。

 「そうか……ということは、おまえも紺野顕子を素っ裸に剥いて、こんな感じで挟み込んで欲しいんだろう?」
 清治は大きく頷いていた。

 「俺も顕子先生をこんな風にしたい。そのための仲間なんだろう?だったら、俺も仲間にしてくれ!」
 清治は叫んでいた。

 「おっけー。高橋。おまえを俺たち紺野顕子を乳奴隷にする会の四人目の会員にしてやる」
 牧田がそう言って、清治の肩を叩いた。

 「乳奴隷?」
 聞き慣れない言葉に清治が困惑しているのを見て、牧田は説明をはじめる。

 「俺たちは、おっぱいが大好きなんだ。そして、紺野顕子も大好きだ。あんなにおっぱいが大きくて綺麗な女の人なんて、この先俺たちが大人になってもいるかどうかすごくあやしい。だったら、今この時に、俺たちは紺野とセックスしたりすべきなんじゃないかと気が付いたんだ。そして、一旦セックスしたら、それをネタに何回もセックスするんだ。奴隷にしちゃうんだ。でも、紺野は乳が大きいから、愛嬌を込めて乳奴隷だ」

 ……乳奴隷、なんて素晴らしい言葉なんだ!
 清治の脳裏にはその瞬間、真っ裸で首輪を付けられた顕子の姿が浮かんだ。それは非常に性的な興奮をそそるものだった。

 「高橋はちんちんおっきいから、紺野も喜ぶぜ」
 下卑た顔で北原が笑った。この四人の中では一番背が低い北原は、本当に子供子供した容姿をしていた。だが、そんな顔で笑うと顔だけが妙に大人っぽくなり、見ているものにあまり心地よい感じは与えなかった。

 「そ、そうかな?」
 「ああ。高橋を今日呼んだのだって、おまえが紺野を好きなのもあるけど、俺たちの中で唯一大人と同じちんちんだからでもあるんだぜ」

 北原の言葉に清治は苦笑した。かれのペニスは大人のように包皮がめくれあがって、亀頭が完全に露出していた。無論、そのサイズも小学生とは思えないほどの大きさであった。かつてはそのペニスでからかわれたりもしたのだが、今ではそれがみんなに必要とされているのだ。
 「そうだ。俺たち、おまえに期待してるんだ」
 牧田がそう言うのを聞いて、清治はこの仲間達とならどんな悪事にも手を染めようと心に誓う。そんな単純な部分も買われて仲間にされたと気が付かない清治に対して、あくまで他の仲間達はおだて続けた。

 「そうだぜ、高橋のちんちんがなかったら、紺野をいかせらんないぜ」
 「そうだそうだ」

 寒河江と北原が牧田に続くのを聞きながら、清治は会心の笑みを思わずこぼした。自尊心を擽られるなどということは、教室ではかなり地味な方の清治にとって、ほとんど生まれて初めての出来事であったのだ。
 「ようし!俺のちんちんを顕子先生のおっぱいに挟ませてやる!」
 興奮した清治は立ち上がってそう絶叫した。脳裏には、床に散乱している無修正本の中の女達のように淫らな姿態の紺野顕子を思い浮かべながら……。


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