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 第4章

亜衣は十分な抵抗すら出来ずに、乙女の大切な部分を淫敵にねちねちといじくられている。
巫女の躰は高貴な意志に反して熱く燃えさかり激しく震るえ、びくびくとひくつく。
今、亜衣の秘部を護るものは薄い布きれ一枚しかなく、溢れる蜜で濡れ透けるそれはもはやその役割をなさない。恥液にまみれて布が張り付くそこは、ひくつく宝石がまるでボタンのように屹立しているのが見て取れる。実際それはまさにスイッチボタンそのものであった。
亜衣の肉体に、神経を焼き切らんばかりの甘く鋭い大電流を送る、悦楽のスイッチ。
聖なる乙女の小さな突起は勝手に熱く震えスートラに押されるままにスイッチの役割を完全に果たす。

「・・んひっ・・あんんっ・・そこを、触る、なっはああっ」
媚薬で狂わされ、敏感な胸をこねられ、火照る耳をねぶられて混乱している亜衣の頭脳は、さらに股間の肉芽をぐりぐりといじられる事で完全に真っ白になってしまう。

−あぁっ・・ど、どうしてっ・・か、躰が、熱い・・こんな辱めをうけて、どうして私の体はこんなに切なくなっちゃうの!?−

天神の加護を受けた羽衣のまま、清楚な精神の巫女はねとつく汗にまみれた身体をくねらせ熱く切ない吐息を漏らした。力無く大きく拡げられた二本の太股は、小さな肉の尖りから刺激が押し寄せる度にビクビクと痙攣する。わずかに残る理性で抵抗を試みるが、それも指一本の攻撃であっけなく駆逐され白いのどをのけぞらせ身悶えてしまう。
亜衣は躰を駆け抜ける得体の知らない甘く鋭い悪魔のような電流に翻弄されていた。
涎が流れるままになってしまっている美しく可憐な口をぱくぱくと喘がせ、自分の躰に襲い来る未知の感触に戸惑い混乱する。

「ひあ・・あん、あぐぁっ・・身体が、身体が熱ひぃ・・こんな、こんな事ってぇへえっ」
「ふふふ、もうどうしようもなくとろけてるのね。すっかり快楽の虜、気持ちよくてしょうがない、という感じかしら?」
強固な意志の巫女である亜衣を淫ら技で堕としつつあるスートラは、喘ぎ悶えるその獲物をなおも言葉で辱める。
亜衣は恥辱で紅く染まった顔を振り乱してその言葉を否定する。
「だ、誰が・・わ、私は気持ちよくなんかなって、い、いないわっ」
亜衣の反論に、スートラは不思議そうな顔つきで応えた。
「これだけ悶えておきながら、なにを・・?ほら、泣きそうな程気持ちいいんしょ?ここをべとべとに濡らしてそんなウソついてもダメよ」
「ち、違うっ・・それは、く、薬で・・勝手に・・ひっ・・か、感じてなんか・あひっ」
スートラの責めに泣き悶えながらも、自らが快楽を得ていることをひたすら否定する亜衣。
巫女としての正義感か、囚われている麻衣に対する姉としてのプライドか・・それとも・・・
「ほらほら、気持ちいいんでしょ?素直に白状なさいっ」
「きゃあっ、や、やめっ・・そこ、だ・・ンめへぇっ・・・き、気持ちよくなんか。気持ちよくなんかなひっ・・躰が勝手に動いちゃう、だけなんだからっ・・気持ちよくなんかなってな、ひきぃいい」
すっかり悦楽の虜になっている風に見える亜衣の、予想外の抵抗にスートラは眉をひそめた。獲物はもう快感でとろけているはずだ。責めるままに反応し、身悶えている。
しかし、なぜこれほど快感を認めようとしないのか?まるで自分が・・

暫し考え込んでいたスートラが何かに気づいた。そして、紅い唇をゆがませて亜衣を嗤う。
「・・ふふ、あははは。そう、そうなのね。可愛いわ、天津亜衣。さてはお前は、今まで本当の悦びを得たことが、いいえ、本当のオンナの悦びを認めた事がないようね」
「な、なにを?・・や、やひぃっっ・・うはっっか、躰がっ熱ひっそこを触られると、な、なにかが来ちゃうっ!?」
「ははは、そう、それが真の快楽、真の淫らな悦びよ。そして、その躰の火照りも、とろけるような感触も、はしたない乳首のひくつきもお前の大事なところから溢れるとろとろの熱い蜜も、全部お前のいやらしい躰が感じて悦んでいる証拠なのよ」
「そ、そん、そんなあっ・・わ、わたしっ・・悦んでなんかぁっっ」
抗議の声を上げる亜衣を嘲笑うように、スートラは濡れまみれた肉の芽をつま先ではじいて玩ぶ。
「あヒャあっっ!?ヤメッ・・やめてへェっ・・うあああっ」
「ほらほら、素直に認めちゃいなさい、気持ちいいって」
「だ、誰がっ私は天津の巫女、な・のよっ、こんなモノを気持ちよく、なん、かはっあっ」

−そんな、これ、これが快感!?違う、私は敵の攻撃なんかで快楽を感じたりするようなオンナじゃないわっ、違う、これ、は、快感なんか、じゃ、な・・ひ・・−

亜衣はこれまでの戦いの中はもちろん私生活でも、つまり人生の中で快感、悦楽というものを感じたことがなかった。いや、快感を悦びの対象として認識したことがない、というべきか。
少なくとも従来の敵の「快楽責め」と称する攻撃で訪れていた刺激は、単に躰が火照りつらく苦しいだけのものだった。心地よさなど感じ取ったことがない、むしろ嫌悪感のほうが強いだけのものだった。

−そんなっそんな・馬鹿なっ・・「淫らな快楽」って、「気持ち悪いもの」ではなかったの?・・あぁっどうして、こんなに、痺れちゃう、のっ−

今までの経験から「快楽責め=自分にとっては無縁の不快なもの」と認識していた亜衣は、今のこの嵐のような凌辱でも、自分の体調が狂いだしていることこそ判っても「肉の悦び」だということが判っていなかったのだ。
ただ、自分の躰が熱く、言うことを効かない。とろけるような甘い感触と、狂いだしそうな鋭い刺激で躰に異変が起きている−そこまでしか、意識できていなかった。
「お口は素直じゃないけど、お前の身体はこの快感を認めているわよ。ほら、羽衣の上からでもはっきり判る乳首も・・・」
「っきゃああっ・・さ、触らない、で・・ひぁっ、摘んじゃダメへぇっっ」
「このいやらしい蜜を流し続ける割れ目も・・・」
「ひゃあひぃいい!?そ、そんな、とこぉ・・す、すごい・あ・・な、なんなの、これぇっか、躰に力が、入んなひぃ・・」
スートラは淫らの塊となりつつある亜衣の身体と精神に甘く凄まじい、どろどろの快楽を丁寧に教え込む。
「そう、これは全部“快楽”なのよ。天神の血を引く巫女、天津亜衣。お前は今淫らな快楽に溺れているのよっ」

−そ、そんなっ・これ、これが・・「快楽」?今まで経験してきたものとは全然違うわっ、熱い、私の体が、と、とろけちゃいそうっ・・だめ、だめよっこんなに流されちゃだめ。こんなものを快感だなんて、認めちゃ、だめ・・あぁあ、でも、すごいぃ・・−

なにか、危ういものに堕ちてしまいそうだ。
その危機感はある。しかし、よりによって自分が、しかも敵の手で淫らな快楽を得ているとは、まだ亜衣には信じられなかった。
しかし。
「ひはぁあああっっダメッ・・舐め、舐めなひでっ、そんな、とこぉほっっ!?・・」
スートラの熱い舌が亜衣の最も大切な割れ目を捕らえたとき、巫女の身体はさらに大きく跳ね上がった。
下着越しとはいえワンランク上の凄まじい淫ら電流が亜衣の精神を焼き尽くすかのように駆け抜ける。
「・・んっんっやああっ・・あひぃひっ・・だめ、だ・・ひあああっっ」
清らかな乙女は、二本の太股の間にある巫女の秘部に淫敵の口を貼り付けたまま大きく仰け反った。消えてしまいそうな理性を、髪を振り乱し震える手で床をひっかいて必死に引き留めようと藻掻く。
ここでこの攻撃にくじけてしまっては、この感覚を快楽だと認めてしまっては、天津の巫女として本当に負けてしまうということになってしまう。
いや、なにより、憎み忌み嫌っている淫らな敵の攻撃で悦楽を得ているなどと認めてしまうことは亜衣にとって何より勝る屈辱になるのだ。

−わ、私は、感じちゃってるのっ?・・・だめ、違う、感じてなんかいないっ・・た、例え・・どんな事をされても、わた・・し、は、邪鬼淫界の攻撃に負けたり、しな、い・・
んっふぁあっ−
亜衣はこみ上げる嬌声を必死に飲み込み、自分が認めていない“なにか甘く鋭く鮮烈な感触”に反応してしまっていることをなんとか隠そうとする。心のなかで叫ぶ言葉はスートラに対してだけではなく、自分自身の肉体に対して、でもある。
亜衣は崩れ落ちてしまいそうなプライドと、溶け堕ちてしまいそうな理性をなんとかして浄化させようと身悶える。

抵抗を続けているものの、スートラの熱い舌で下着越しに乙女の最も大切な割れ目をぐちゅぐちゅとねぶられている亜衣。罠に堕ちた蒼い巫女は、触手の床をひっかき、汗と涙と涎でねとねとになった美顔を振り乱し淫らな攻撃に翻弄されるままにいる。ピンと張った長い足はびくびくと弾け、靴の中で折り曲げられた足指も汗でまみれている。胸の二つの丸い膨らみは今は触れられてもいないのにも関わらず、羽衣の上からでも尖り震えてしまっているのが判る。
喉の奥から漏れる引き絞られたような喘ぎ声が、崖っぷちに立たされた亜衣の心を表わしているかのようだ。蒼い羽衣の美少女は、歯を食いしばりなんとかこの底なしのとろける感覚から逃れようと藻掻き続ける。
巫女として、姉として、一人のオンナとして絶対に認める訳にはいかない甘い地獄の感覚を、亜衣は必死に拒もうとする。
「ははは、ガマンしようとしてるのかしら。それとも、まだこれを快感だとは認めないつもり?無駄よ、お前が味わっているのは間違いなく淫らな快感。お前の身体はそれを嬉しい、嬉しいって、悦んでいるのよ」
亜衣が必死に否定しようとする“それ”を今。美しくも淫らな敵が、清く尊い巫女の美しい躰に最悪の形で無理矢理知らしめられようとしているのだ。
「どう、感じてるんでしょ?気持ちいいでしょ?どれだけ吸っても溢れてくるくらいに蜜が流れてるんですもの、感じてないわけがないのよ。ほら、認めなさい、私は淫らな快感に、身体中で感じていますって」
「やあっあ、か、ん、じてな、ひ、気持ちよくなんか、なひっ、ああっ」
−か、感じてなんか、いないわっ。感じてなんかないのに、悔しいっ、どうして、どうして私の躰は力が入らないの?こ、こんな、いかがわしい刺激なんて、精神統一すれば・む、無視でき・・る、はずよ・・しっかりしなさい、亜衣っ−

亜衣は白濁した意識のなかで、必死に自分を奮い立たせようと反抗する。
薄れゆく意識でなおも反撃の糸口をさぐろうとする。

そのとき、どうしようもなく震え藻掻いていた亜衣の手が、なにかに触った。
−だめ、このまま、じゃ、とろけちゃう・・あ?こ、これはっ−
なんという幸運か。
亜衣のすぐ手が届くところに、天神の武具、蒼穹がそのまま放置されていたのだ。
甘い刺激で取り落としたままの位置に転がっていた天具を、亜衣は再び手にすることが出来た。
−天のご加護だわっ。これがあれば、敵の思うままにされてはいない。今度こそ、反撃のチャンスだわっ−

認めるわけにはいかなかった快楽責め。しかし実際にはどうにも出来ずにただ桃色の底なし沼に沈みそうになっていた亜衣にとって、それはまさに天からの助け。巫女の心に純潔の電流が走り、ぼやけていた理性が引き締まるのが判る。
−こ、こんなもの、気持ち・・よくも、なんとも・ないもの。私は、感じて・・なんか、ないわ・・あんな薬になんか負けていない・・この天具さえあれば・・それを証明して・・みせるわっ−
乙女の最も敏感なところから次々と押し寄せる津波のような甘い電流を、亜衣は強靱な意志ではね除けた。
「わ、私を甘く見ないでよ・・あ、天津の血をひく巫女は、こんな責めには屈しないわっ」
亜衣はそう叫んで大きく頭を振ると、凄まじい精神力で再び理性の光が戻った鋭い眼差しでスートラを睨み付けた。はしたなく拡げられていた脚に力を込めて眼前の淫敵に蹴り入れる。

目にも留まらない素早い攻撃は、すっかり油断していたスートラの美貌に綺麗に決まった。
スートラの束縛から逃れた亜衣は、気を抜くとどこかへ堕ちてしまいそうな意識に鞭を打って立ち上がった。
天具の弓もその手に握られている。
亜衣は自分の汗と蜜、そして触手のローションでぬめる床を震える脚で踏ん張り、天神の武具を構える。
「どう?わ、私はお前の卑怯な罠に・・なんか・・負けたりしてないわっ。淫らな快感になんか、んん・・悦んで、ないわっ」
「ぐっ!まだそれだけ動けるなんて、さすがね」
捕縛した獲物から思わぬ反撃を受けたスートラは、頬を押さえると蒼い巫女と対峙する。
亜衣はまだ疼き続ける身体を無理矢理従わせてスートラを斬りつける。
「て、ぇえいっ・・んひっ、あはぁ、動くと、羽衣に身体が擦られて・・ぐっ、だめ、こんなもの、耐えてみせる・わっ・・とああっ・・ぐ・・んぃいっ」
天具の蒼穹を振るう事で身体に襲い来る痺れるほどの感触を、亜衣は歯を食いしばり堪える。さすがに亜衣の太刀筋は確かだ。震え力が入らない肉体を精神力だけでなんとか操り、スートラを攻め押していく。

「お見事、と言っておくわ、天津亜衣。でも、まだまだ身体はお前の心を裏切っているはずよ。ほら、太股をそんなに摺り合わせて、切ないんでしょ?」
「っんぐ!?こ、これは、違うっ・・切なくなん・・か、ないひっ」
もじつく肢体を鋭く指摘されて、亜衣は必要以上に両脚を拡げ刀弓を構える。
しかしそのことすらもスートラのいたぶりの対象になる。
「あらあら、その内股に流れるのは、なあに?くすくす」
「あっ・・あはああっ・い、いつのまに・・ひき・・こ、これは・・そんな事どうでもいいっ・・お前を倒して麻衣を助け出せれば、なんの問題でも・・ないわっ」

邪鬼淫界の淫ら巫女による言葉責めを無視して、亜衣は攻撃を繰り返す。
亜衣の連続攻撃をすんでの所でかわしていたスートラは、わざとらしく声を上げた。
「麻衣ぃ?あぁ。あの小娘ねえ。姉のお前が淫らな快楽にうっとりしている間に、どれだけ悦んでいるのかしらあ?」

自分だけではなく愛するパートナーまでを辱める発言に、亜衣は怒りを露わにする。
「お、おのれっ麻衣をこれ以上愚弄するとっ!」
天具を握る手にも力が入る。怒りの効能は思いのほか大きく、わずかだが巫女の身体を横溢する切ない刺激を押さえることが出来た。天具を使っての攻撃にも鋭さが蘇る。
スートラはその攻撃を紙一重で避けると、亜衣から一歩大きく飛び退いた。
そして褐色の指を鳴らして部屋の隅にある光の板を遠隔操作する。
格闘によって移動していた為、様子が判らない方向に向いていた映像の鏡を二人からでもよく見える様な角度に直す。
「ま、麻衣っ!!」
映し出された様子を見て、先に声を上げたのは亜衣の方であった。
「あらあら。もうすっかりとろけているみたいよ、お前のパートナーさんは。あはははは」

「ひあ・・んひぃ・いやぁ・・そ、そこは・凄すぎるのほぉ・・お、お願・・助け・て・そんなにひっ・・し・しないでへぇ・・やああっ気持ち良すぎてへぇっ・・おかしくなりそほぉっ・・」
亜衣よりも長い時間、しかも残酷なまでに徹底的になぶられ続けていた麻衣は、紅い羽衣のまま触手の海に沈んでいた。
慈悲深い清楚な香りが漂っていた亜衣の表情は淫靡な笑みが取って代わり、両手両脚は肉の蔦が絡まるに任せている。羽衣の中に潜り込んでいる触手の群は高貴な胸の膨らみや股の間にある神秘の割れ目だけではなく、乙女の全て・・脇の下や脇腹、へそ、背中、おしりのふくらみまで全身をぬめり、舐め、くねらせて悦楽を絶え間なく送り込んでいる。
「麻衣、しっかりして、麻衣ぃっ」
亜衣は必死になってパートナーの名を叫んだ。
しかし映像の向こうの巫女はなおも嬌声を上げ続けている。
麻衣の美しい唇の間から可愛らしい舌が覗き、その先からは涎がだらだらと流れる。
身体中を舐め回す触手を両手で掴んではいるものの、その動きを妨げるには至らない。
囚われの巫女の抵抗はすでに形だけのものとなりかけていて、漏れる声は今では快楽を隠すことができずにはっきりと悦びを表している。

「ふぃいいっ・すご・ほぉいいっ・・いい、気持ちひぃい・・あひっ・ダメ・・・こんなの・・良すぎるぅ・・・だめへぇ・・わ、私は天神の、巫女・な・なのに・いひぃっ・・あはぁああ」
「麻衣っ・・流されちゃだめっお願い、正気に戻って、麻衣っ」
蒼い巫女による目元に涙を浮かべての哀願も、理性と悦楽のはざまで葛藤している紅い巫女の心には届かなかった。
「あのむすめがイロに染まるのはもう時間の問題ね。あそこまで堕ちると、もう戻って来られないかもよ?お前がもたもたしていたものだから、間に合わなかったわねぇ」
「そ、そんなっ・・お願い麻衣っしっかり、しっかりして・・あぁ、なんて事・・」
亜衣は顔を真っ青に染めて愕然とした。
−そんな、私が不甲斐ないばかりに、麻衣が・・そんな・・・−

姉の想いを知る由もなく、麻衣はさらに淫らな演舞を続ける。
わずかな抵抗を続けようとする巫女は、しかし触手の凌辱になすがまま、大切な割れ目から失禁かと思うほどだらだらと熱い蜜を吐き出している。清楚な羽衣のままのいたぶりが続き、その衣は触手の粘液と乙女の蜜でぐちょぐちょになり、さらに痴態を妖艶に見せる。
「あぁ、麻衣・・麻衣・・・」
亜衣は天具を構えたまま、涙をこぼした。そもそも麻衣と別行動を取ってしまったのも、自分が判断を誤ったからだ。しかも、麻衣が助けを求めていた時に、亜衣はスートラの罠に堕ちて自分を見失いそうになっていた。
自分が間違えなければ、もっとしっかりしていれば・・・
そう思うと、亜衣の勝ち気な瞳からは宝石のような涙が溢れて止まらない。

「きゃあああっや、やめてへぇっっ・そ、そこは、だン・・・だめエ・・入って・・こなひでっ・・だ・・やはあああっ」
自分の行動を悔やんでいる間もなく、亜衣は麻衣の悲鳴に呼ばれた。
「ふふ、触手たちはどうやらあの娘のなかに入りたいみたいよ。まぁ、あれだけぐっちょり濡れていればすんなり入っちゃうわねぇ」
「そ、そんな、麻衣っ!だめ、逃げてっ逃げるのよっ・・あぁっ麻衣――っ」
スートラの解説を理解した亜衣は、敵への集中を完全に忘れてパートナーを呼び続けた。
光の向こうの紅い羽衣の美少女は、大きく拡げられた両脚の間にある最も大切なところの入り口を淫らな肉の塊に玩ばれていた。その割れ目から広がる甘く鋭い衝撃でビクビクと身体を弾ませる麻衣。
「っっゃおっ・・ぐんっ・・いひっ・・んっんっ・やああっ!?い、入り口のとこで、す、すごいっ・あ、暴れてるっ!?くぁあっ・・すご・いいっ」
麻衣の秘部には、数本の触手が取り付いていた。それらの先端はイソギンチャクのような、さらに小さい突起が無数に蠢いており麻衣の快感を攻め立てる。
歯を食いしばる事すらできない凄まじい悦楽に、麻衣の理性はぐずぐずに溶かされてしまった。
「やはぁああっ・ダメッ・・ひっひぃぃっ・ま、また・・・ダメぇ・ん・んんん・・んひゃああっっ!!」
甲高い甘い悲鳴を上げると、麻衣は触手に覆われた身体をひときわ大きくびくびくとひくつかせた。
「ふふふ、イッちゃった。あれで何度目かしらねぇ。まだまだこれからだというのに」
「も、もう止めろっ麻衣に酷いことをするなっ」
亜衣は怒りに震える瞳から涙をこぼし、悲痛な叫びを上げた。
「あら、酷い事ですって?心外だわ。私はあのむすめを悦ばせてあげているのに」
平然とスートラはとぼけてみせた。亜衣の表情がますます険しくなるのを楽しむかのように。
「ほら見てごらんなさい。お前のパートナーの嬉しそうな顔を。身体もまだまだ快感を欲しがってるみたいよ、いやらしいくねりが止まらないもの。あはははは」
「ふざけるなっ麻衣はそんなふしだらな人間じゃないっ」
亜衣はパートナーを心から信頼していた。例え卑怯な罠に堕ち、淫らに攻められてもいかがわしい快楽になど流されはしない。そう信じていた。
しかしその想いは、皮肉にも紅い天女の天津麻衣自身の甘い喘ぎ声によって粉々にうち砕かれた。
「ひやあっっ・・まだ動いてるぅ・・と、止まんなひぃっ・すご、すごひっ・気持ちいいっ・・わ、私は巫女なのにぃ・・感じちゃいけなひのに・・とっても気持ちひい・気持ちいいよぉっあはああっ」
「まっ麻衣ぃぃっ」
亜衣は泣き崩れた。目の前で自分の愛するパートナーが悦楽に囚われてしまったのだ。
しかも全て自分が判断を誤り、不甲斐なかったばかりに。
呆然とする亜衣に、スートラは追い打ちをかけるべく言葉なぶりを続ける。
「あはははは、あの娘も快楽に堕ちちゃったわよ?天津の巫女は、快楽に負けないんじゃなかったの?」
光の映像板の中にいる紅い天女は歓喜の絶頂から冷める間もなく、続けざまに触手で玩ばれている。

「ほらほら、もうすぐあの娘の大事なところも可愛がってくれるみたいよ。まだ少し理性が残っているみたいだけど、このままあの触手があの娘を・・ん?」
触手の群が紅い巫女の最後の砦、絹の下着をずり落とすとその中の秘泉に潜り込んだ。
いや、潜り込もうとして、その動きがいきなり阻まれた。
青白い神聖な光が麻衣の秘部で煌めいた。
その光は邪悪な触手をうち払い、紅い羽衣の天女に潜り込もうとする触手の進入を阻止したのだ。
「な、なんなの、あれはっ!?」
今度大声を上げたのはスートラの方であった。

その叫びで視線を麻衣に戻した亜衣は、表情にきらめきを取り戻して歓喜の声を上げる。
「護符が、護符が護ってくださってるっ。スートラ、お前の思うとおりにはいかないわよ。」
「護符・・ですって?」
亜衣は天神の力に心から感謝しつつ、スートラに笑みを向けた。
「私達の躰の中には、天神の御力が宿った桜の花びら、天神の護符があるのよ。これさえあれば、お前達の様な邪悪なものが私達の中に入り込むことなんて不可能よ」
亜衣の余裕に満ちた説明で、スートラは天神の護符の存在を思い出した。
天神の乙女達の秘部には、天女だけが扱える強力な護符があるということを。
邪鬼淫界の邪鬼には触れる事すらかなわないそれは、巫女の秘部奥深くに張り付いている。半年前の戦いで一度はそれをはがすことができたが、それはその護符に耐性のある邪鬼の生物のおかげでの事。ごく一部の種族を除き、触手はもちろんスートラでさえ、その護符をはがすことはおろか触る事も出来ない。
強力な結界と同様の効果をもたらすその護符がある限り、天女の秘部を攻めることは不可能だ。
「新しく力を込められた神聖な護符が、麻衣の、そして私の中にある限り、お前の卑怯な攻撃には屈しないのよっ」
麻衣がこれ以上汚される事がないと安心した亜衣に、ほんの少しだけ希望が戻る。
亜衣は高らかに敵の作戦失敗を宣言すると、刃弓を握りなおしてスートラに突きつけた。

「そう、ねぇ。そうだったわねぇ。ふふふ。まったく、なかなか楽しませてくれるじゃないの。」
「・・え?」
亜衣の予想に反して、スートラに焦りの表情は微塵もなかった。
確かに、麻衣は囚われのまま、亜衣は淫らな淫液にあてられたままだ。状況はまだまだ圧倒的に敵に有利ではある。しかし、しかしである。
敵の切り札であるはずの麻衣がこれ以上に深い凌辱を受けるおそれが無くなった今、この瞬間は、スートラにとって安全であるはずがない。
しかも、目の前に刀の切っ先を突きつけられているのである。身構えもせず、どうして笑っていられるのだ。
これ程の余裕は、いったいどこから?
亜衣は今日何度目かの、嫌な気配を感じた。これ以上事態が悪くなるなど想像もできないが、しかしなにか得体の知れない不吉な知らせが、亜衣の心の中で警鐘を鳴らしている。
−なんだか判らないけど、悪い予感がする。一刻も早く、こいつを滅しなければっ−
「そう睨まないでよ。まだまだお楽しみはこれからなんだから。」
「なにをっこれからあるのはお前の敗北だけだっ」
亜衣は、今も尚体を蝕む甘い痺れで震える手に力を込めて褐色の美女を切り裂く為に天具の弓刃を振るう。
すいっと軽やかにその攻撃をかわすと、スートラは胸元に右手を入れた。
「っ!」
淫敵が胸元に何かを隠し持っていたらしい事を察知した亜衣が思わず身構える。
しかし
「ほら、可愛いでしょう?」
ふくよかな胸元から、そう笑いながら取り出したものは幼女が遊ぶような小さな人形であった。
ひとつはただ白いだけの人形だが、紅い衣を纏ったもうひとつの人形は、なるほど確かに可愛らしい。
その2体の人形を持ったスートラは亜衣に微笑みかけると、紅い方の人形の手足を弄りだした。
「こんな時にお人形さん遊びっ!?刀を突きつけられて、どうかしちゃったの、スートラ!」
「別に、どうもしてないわ。ほーら。はい、右手上げて、左手はこっち、足はひろげましょうね。うふふふふ、愉快だわ」
−なに、なにをしてるの、こいつ。またなにか・・いいえ、関係ないわ。なんであろうと、スートラを両断してしまえば、この戦いは終わるのだからっ−
「どうもしてない、というのなら。今からどうにかしてあげるわ。一刀両断よっ覚悟っ」
謎の余裕を見せる淫敵に吠えると、亜衣は天具の弓を構えスートラに斬りかかろうと振りかぶった。
「きゃあっ!?ど、どうしてぇっ!?」
亜衣の動きを制したものは、皮肉にも愛する麻衣の悲鳴だった。

「ま、麻衣っいったい何をしてるのっ!?」
スートラに斬りかかる寸前だった亜衣は、その動きを思わず途中で中断してしまい麻衣の動きに見入ってしまった。
わずかに残る天女としての理性で触手攻めに抗っていたはずの麻衣が、あろう事か自分の両手で乙女の最も大切な部分をいじりだしたのだ。

「ひゃあっ・そ、そんなっどうしてっ・嫌っ・・あひっゆ、指が勝手に動いて・・んああっそこはダメっ」
麻衣の声は自分自身の動きとは正反対な事を言っているのに、震える手がまるで何かに操られているかのように自分勝手に紅い巫女の秘部をかき回し続ける。
紅い羽衣をかき分け、べとべとの下着をずらして、ぐちょぐちょの割れ目の間で麻衣の白くしなやかな指が淫らに踊り出す。
長い間の触手攻めですっかりほころんでしまっている聖なる泉を、左手が人差し指と中指でVの字にして勝手に押し拡げる。その瞬間、かろうじて堰き止められていた大量の蜜がどっと流れ出して麻衣の太股を伝い流れていった。外気に晒された綺麗な桃色の肉ひだを右の人差し指が優しく撫でまわして麻衣の精神をどろどろにとろけさせる。
「やっ・・やだっ・・だめぇ・指が止まらなひぃっな、なんでぇ?・・あぁあっやめてぇっ・ひ、拡げな・・ぃでっ・・やはぁあっ」

混乱した表情のまま艶のある声を上げる麻衣を、亜衣は信じられないという表情で見つめている。
−そ、そんな。麻衣が、自分からあんな事を・・いいえ。違う。麻衣の顔を見れば判る。
あれは、あの動きは自分の意志ではないわ。じゃあ、いったい?−
麻衣の悲鳴はますます高くなり、それを嘲笑うかのように指の動きはますます激しくなっていく。
「あぁあっ、もおっもお動かないでぇ・・勝手に動かな・・ひゃああっ・・ゆ、指っ入っちゃだめえっ」
自らの指で大きく拡げられた秘所のなかにもう一方の手が進入する。混乱する麻衣の、必死の命令を全く無視して白魚のような指はその躰を残酷なまでに弄り回す。
「ふははははっそう、その調子よ。ほら、もう一本入れてかき混ぜてみましょうか?ほら」
「いひゃああっだめ、だめぇっ・・そ、そんなに深く・っやあっ掻き出してるふっ私の中を、あぐっ私の指が掻き出してるふっっ」
人差し指に続いて中指までもが麻衣の中に入り込み大きな音を立てて蠢き回る。ぐちゅぐちゅと淫らな音をたてて暴れ回っていた2本の指が、“く”の字に曲がると中の柔肉を引っ掻き始めた。自分の指から送られる凄まじいまでの甘い電流に耐える事など出来るはずもなく、麻衣は顔を左右にうち振るい涎を流して身悶える。

−麻衣のあの表情。あの手の動き。拒む躰を無理矢理動かされてるみたいだわ。まるで、なにかに操られているかのような・・・操られている?まさかっ!?−

「貴様っその人形でなにをしているっ」
はっと気づいた亜衣は、紅い人形を弄っていたスータラに向かって突進した。片手で天具の弓刃を振るい、返す動きで敵の手から人形を奪おうとする。
蒼い天女の鋭い動きを、上半身をなめらかに動かすことでかわした褐色の美女が唇をゆがませて笑う。
「なにをしてる、なんて、見れば判るでしょ?あの嬢ちゃんがもっともっと楽しめるように手助けしてあげてるのよ」
スートラが紅い衣の人形の股間を人形の指でこねまわすと、映像の向こうの乙女も同様の動きを行う。
割れ目を突いている右手の指を2本から3本に増やすと、さらに人形の動きを激しくさせる。
「ほらほら、凄い快感がお前の頭脳をぐずぐずにしてるはずよ。ほら、もっと恥ずかしい蜜を垂れ流しなさい、天津麻衣。ははははは」
「ひゃっ・・・っい・やああっ・・かはっ・・うひっ・・ゆ、ゆびっ・・止まってぇ・・お願・・ひぃっ・・」
入り口止まりだった触手の攻めよりもさらに凄まじい、躰の奥深くからほとばしる桁違いの悦楽に麻衣は満足に言葉を紡ぎ出すこともできずただ震え悶える。
「さぁ、いい子ねぇ・・そうよ。そう。お前の中にある桜の護符が、いやらしい蜜で流れてきて、だんだん顔を出してきたわよぉ。さぁ、もっと感じなさい。もっと蜜を流しなさいっ」
スートラの言うとおり、麻衣の躰の奥深くにあったはずの神聖な桜の花びら−護符−が、巫女の悦びの液体に乗って乙女の割れ目から流れ落ちようとしていた。
「ほら、もう掴めるわよ。そんな邪魔なものはすぐに取ってしまいなさいっ」
「やぁっ・・そ、それが無いと、奥までっあ、だめぇ・・つ、掴んじゃ・・あぁあ・・」
必死に抵抗を見せようとする麻衣の言葉とは裏腹に、紅い羽衣の美少女は自らの手で自分を護る神聖な護符を取り除いてしまった。
「いい子ねぇ・・ほら、今度は両手で自分の恥ずかしいところを開いてみましょうか。ほら」
「いやぁっっ・・そんな・・いやっ勝手に手がぁっ・・ダメぇっ拡げちゃだめぇっ」

嬉々として人形を玩ぶスートラと、愕然として自分以外の人間に操られている風の麻衣。
そのやりとりを見た亜衣は、先程のひらめきを確信に変えた。
「そ、その人形で麻衣を操っているんだなっ!?やめろっ手を離せっ」
刃弓を構えて睨み付ける亜衣に、スートラは舌を出して微笑む。
「あら?これは初めてお見せするものだったかしら?くすくす・・だったら、お前にも楽しませてあげないとね」
「そんなもの、結構よっ。それより、その人形をこっちによこしなさいっ」
−あの人形は呪術的なものと似てると思って間違いないわ。だったら、あの人形さえ奪い取れば麻衣は自由になるはず。迷ってるひまはないっ−
亜衣はひときわ神経を集中させると、腰を低く構える。
「たぁっ!!」
低い姿勢からスートラに飛びかかると、その手にあった紅い衣の人形を奪い取ることに成功した。
「やったわっ。これで麻衣が操られることはないのね?。」
思わずほっと一息ついた亜衣の耳に、また甲高い嬌声が飛び込んできた。
「あはぁっっ・・すごぉいっ・気持ち・・いいっ・・絡みついてくるふっ」
謎の人形によるものと思われる戒めからは解放されたようだった。
が、今度は桃色の触手がすぐさま麻衣に絡みつき、その肉体を甘い悦楽で覆い尽くす。
触手は、麻衣自身の指で天神の護符を取り除いてしまった巫女の秘部奥深くに潜り込んでいく。
ついに麻衣の中に侵入した触手は、邪魔者がいなくなった事でその力を完全に発揮し始めた。
「っっっっ・・・・っっっ・・っっ・っ・・っっ!!」
奥深くまで入り込んだ邪悪な生き物は、その先端からさらに細い手を伸ばし乙女の肉壁を撫でまわす。狭い割れ目の中いっぱいに蠢き回る触手からほとばしる淫らな電流は、麻衣の脊髄を焼き尽くし脳を溶かし尽くす。
爆発的なまでの悦楽は、もはや麻衣に悲鳴を上げさせることすら許さなかった。
麻衣はひたすら髪を振り乱し、言葉にならない短い喘ぎを吐き出す。入り込んだ触手を引き抜こうとして掴んだ手も、必死で快感から逃れようと苦悩し折り曲げられた足の指も、蠢く触手が絡みついて離れない。
今の麻衣は、躰の中も外も淫らな触手に包まれ快感に溺れる事しか許されていなかった。

「ま・・い・・あぁ、なんてこと・・」

痴態の映像を、涙を流して見つめていた亜衣。
麻衣を助けられなかった自分に対する憤りと、愛する者を辱めたスートラへの怒りで、次第に亜衣の躰は震える。
宝石のような涙が亜衣の瞳からこぼれた瞬間。
「お、おのれぇっ」
炎のような怒りに包まれた亜衣は、闇雲に天具を振り回した。
いつもは理性的な彼女が今は完全に自分を見失い、スートラを切り裂こうと暴れ周りにあるものをも手当たり次第に切り裂く。
職員室にあるもの・・教科書を割き、机を割り、本棚をなぎ倒した。
「ちょ、ちょっと。あ、危ないわねっ・・くっ・・今のこの娘には何を言ってもダメか」
怒りにまかせた行動は正確性を欠いたが、それでもスートラを追いつめる事は十分に出来た。
スートラを触手がのたうつ部屋の隅に追いつめ、肩で息をして睨み付ける亜衣。
今の亜衣は、褐色の淫敵を滅ぼすことしか頭にない。

そのため彼女の手にまだ白い人形が残っていることには気づいていなかった。

スートラはその残った人形を亜衣に見せつけるとわざとらしくため息をついてみせる。
「しょうがないわね。まだお前には使うつもりはなかったんだけど」
「そ、それはっ」

はっと気づいた亜衣の目の前でスートラがその人形を玩び始めた。
先程までの麻衣の動作がその人形による遠隔操作によるものだとすると、今度は自分も良いように操られてしまう。
思わず身構える亜衣。

しかし。
予想されたような事は起こらない。
亜衣は指一本の動きすら拘束されてはいない。
「な、なにも起きないじゃないの。その人形で麻衣を操っていたんじゃないの」
「そんな馬鹿な。どうしてっ」
スートラは急に焦りだし、白い人形を必死に動かす。
だがやはり亜衣の躰に変調は見られない。
「さっきはこれであの娘を操れたのに、どうしてお前には通じないのっ」
先程の麻衣を玩んだものがどういうものであったにせよ、今の亜衣には彼女の動きを制限するものはなにひとつない。
亜衣は焦るスートラの目の前でくるりと一回転し、自由に動く体を見せつける。
「ふふふ、どうやらお前の作戦はここまでのようね。無駄なあがきは見苦しいわよっ」
亜衣は一気にスートラに詰め寄った。
「今だわっ。スートラ。天神の名の下に、汝に天罰をっ・・・」
亜衣はここぞとばかりにスートラに振りかぶった。

これで最後だ。そう思いつつ。
だが、それは終わりではなかった。

「なぁんて、ね」
スートラの目が輝いた。
「このままでは何も起こらないわ。でも、このなかに・・こうやってお前の髪の毛を入れれば・・・話は別よっ」
スートラの手には、亜衣がこの部屋に入った直後、彼女が麻衣に化け薙刀で斬りかかった時に数本切り落とされた茶色の髪が握られていた。
金色に輝く髪を入れられた白い人形は、その瞬間に蒼い衣を纏ったものに変化する。
それと同時に、忌まわしい敵を両断しようとした亜衣の身体がいきなり止まった。
「うっ・・か、躰が動かないっ!?」

その様子は、よがり蜜を浴びた先程の動きとはまた違う、不自然で強引な・・そう、まるで下手な操り人形のような、ぎくしゃくしたものだった。
「そ、そんなっ、さっきはなんともなかったのに!?」
「まぁまぁ、そんなに慌てるんじゃないわよ。あの娘同様、お前もたっぷり楽しませてあげるから、おとなしくしなさい」
どれだけ力を入れても、亜衣は自分で自分の躰を動かせない。
蒼い巫女は振りかぶった姿勢のまま、体の自由を奪われてしまった。
「くうっ・・どうし、て・・いったい・・?」
ニヤニヤしながら近づいてきたスートラの手には、蒼い人形が握られている。
「な・・そ、その人形・・さっきは白かったのに・・うわっ」
またも亜衣の躰が不自然な動きをする。
スートラが持つ人形の動きがそのまま天女に写され実行されたのだ。
「な、なんっ!?」
くすくす笑いながらスートラが人形を弄り、無理矢理に亜衣に奇妙な演舞を続けさせる。
「や、やめろっ・・うっ・あ、足が勝手に・・ぐくっどうして体が言うことをきかないんだっ・や、やっぱりその人形は・・!?」
「はい、ご名答。そのとおりよ、天津の巫女。これは目標の人間を意のままに操り玩ぶことができる、邪鬼の魔道具のひとつ。名前は・・そうねぇ。操縛形・・とでも付けておこうかしら」
蒼の人形を・・つまり亜衣を自由に玩び笑うスートラ。
「効果は今味わっている通りよ。優れた魔道具でしょ?まあもっとも直接相手の命を奪う事まではできないから、今までの邪鬼はこれを使わなかったんだろうけどね」
スートラは自分の意志では身動きひとつ出来ない亜衣に向かって妖しい笑みを向けた。

「でも。こうやって動きを止めてしまえば・・・お前を生かすも殺すも思いのまま」
亜衣は蒼白になった。
−あれだけの淫ら罠の上に、まだこんなものが・・・。このまま、身動きすら出来ないまま、やられてしまうの?−
未だ収まることのない躰の熱い疼きもひととき忘れ、亜衣は冷たい汗を流した。
−あぁ・・こんな事って・・ごめん、麻衣・・−

「天津亜衣。お前を消してやるわ」
スートラは蒼い人形をくねくねと玩びながら亜衣に近づき、その手から天具の弓を奪い取った。
−やられるっ!−
ぎゅっと目をつぶり、覚悟を決めた亜衣にスートラが嗤いかける。

邪悪な美女は、神聖な武具を触手にぬめる職員室の床に放り投げると、両手を上げて立ち竦む亜衣の躰を直接いじりだした。二つの膨らみに十本の指がくい込み柔らかい肉塊が淫靡にその形を変える。眉をひそめてゆがむ美しい顔を、スートラの唾液まみれな紅い舌で凌辱していく。
てっきり命を奪われてしまうと思っていた亜衣は虚を突かれた形となった。
「な、なんで・・あっ・や、やめろっ・・んぐっ・・汚らわしいっやめ・・ひぅっ」

「今、言ったでしょ、お前を消してやるわ。ただし本当に消すのは、巫女としてのお前の理性を、だけどね」
「な、なんだとっ・あひっそ、そんな・・事が・・あああっ」
次々に襲いかかる甘い感触。その白い稲妻は、時間が経っているのにも関わらず、先程よりもより鮮明になって亜衣の脊髄を暴れ回る。

「この魔道具も、もっと後で使おうと思っていたのに、あんまり言うことをきかないもんだからこんなに早く使うハメになっちゃった。これって、やられている方は自分の意志に反して無理矢理動かされるんだから、精神的に苦しいと思うけど。まぁ自業自得ね、くすくす」
亜衣はまたも敵の思うままに囚われてしまった事を嘆き悔やんだ。悔しさの余り、勝ち気な美しい瞳から涙がこぼれる。
スートラはその涙を舐め取り代わりに唾液の筋を付けていく。
「さっきは途中までだったけど、今度はちゃんと最後までつれていってあげる。ふふふ、お前のいやらしい躰だと、戻ってこれなくなっちゃうかもね」
邪悪な存在が、聖なる乙女を徐々に侵食していこうとする。
「一度火がついてるから、今度は早いわよ。お前の躰がさっきの悦びを覚えて。ほぉら・・ほぉら・・そう、いい子ねぇ。」
自分からは身動きひとつ出来ない亜衣を、ゆっくりと玩び始めた。
見えない糸で拘束された亜衣は、ただ睨み付ける事しか出来ない。
食いしばった歯の間から漏れる吐息が徐々に熱を帯びてくる。

スートラは、刺すような視線をむける瞳から溢れた涙を、ねっとり舐め取るとその舌を亜衣の顔を滑らせて可憐な耳に差し入れる。
まるで軟体生物のような舌が亜衣の耳をしゃぶり、紅い唇が亜衣の耳たぶをついばむ。
「・・んぁ・・・ぁふっ・・やめ・ろ・・気持ち・悪い・ぁはぁ・・」
亜衣の艶やかな唇の間から熱い吐息と、光る涎が漏れる。
自分の耳から脳にダイレクトに届く、くちゃくちゃ、という艶めかしい音。
聡明な巫女は、そのまま精神まで舐め回されてしまっている様な錯覚に囚われる。
「さぁ、どんどん感じなさい。もっともっととろけてしまいなさい。お前の理性を全てとろけさせてやるわ」
スートラの淫技をほんのわずか受けた事で、亜衣の勝ち気な瞳が次第に霞みを帯びてくる。白い太股がガクガクと震え、満足に立っていられない。
「あはぁ・・く、悔しぃ・・んぁああっ」

ついさっき「これで終わりだ」と思った亜衣の判断はやはり間違いであった。
それは終わりではなく、始まりだったのだから。

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