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  −西部の女保安官 マーサ・ドレイク−

第11話 ハクソー家の晩餐、そして・・・

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やって来たのは市長のテッド・レイノルズとエル・パソに来合わせていた巡回判事のジョージ・スタイナーおよび判事に同行してきたテキサス州警察保安部長マイケル・スミス警視正である。

市長は食卓に魅惑的な全裸を縛られ、明らかにいままでレイプされていたと分かるマーサの変わり果てた姿を見ると突然「ウヲッホホホホ、これはこれは!」と素っ頓狂な声を出した。

「いやはやなんとも・・・お悔やみの言葉を申し上げねばなりませんな・・・ええと、たしかミス・ドレイクでしたな・・・それにしてもなんですな、保安官という大事な公務を放棄して、こんなところでSMゴッコをしているとは市長として許す訳にはいかないですな。しかし私は美しいレディーにはきわめて寛大な紳士でしてね、まあ、ひとつ、私もプレイのお仲間に入れていただくと言う条件で見逃してあげましょう!オオ、それにしてもお美しいですなミス・マーサ・ドレイク、まさにトレビアンですな!!」

そう言うと市長は矢も盾もたまらずマーサに近寄り、男心に挑発的な曲線を示す、すばらしい乳房にキスしようとした。

「いや!私に触ったら承知しないわよ!!」マーサはこのキザ男の市長に今までの男たちとは別の種類の変態をかぎ分けて、素肌に鳥肌が立ち思わず大声で拒絶する。

「おや、ミス・マーサは東部からいらした良家のご令嬢ときて聞いていましたが、しつけがいまひとつ出来ていませんな。これは相当厳しく調教しなければなりませんよ、ダグ・ハクソーさん」

「へい、市長のおっしゃる通りですな、今夜はお偉い皆さんにこのじゃじゃ馬をみっちり教育していただきましょうかな、アハハハハ」

「ふむ、それならまずミスマーサにあの赤いブーツを履かせなさい。そう、彼女が市中巡察の時はいてたやつですよ。フフフ、実は私はあの長いセクシーな小麦色の脚と赤いブーツの取り合わせにかなりシビレていましたからね」
市長の命令通りトムが赤いウエスタンブーツを持ってきてマーサの脚に装着してしまう。

「市長、なんならカウボーイハットとガンベルトも着けさせましょうか?」
権力者に弱いレッドがゴマをすって提案する。

「グッドアイディアですね、さすが私が選んだ新保安官は気が利きますね」

「お誉めにあずかりまして光栄です、じゃ早速。その上なにかご希望はありますか?」

「うむ、ちょっと言いにくいんだけど、この女は凄腕と聞いたから後手に縛ったままでいいんだがね・・・ええと・・・まあ、私は強い女に虐められたい、なんて趣味もすこしあってね・・・おい、何かおかしいかねスミス警視正?(市長の趣味を聞いておもわず噴き出しそうになった警視正はあわてて手を振って否定した)・・・と言う事で、彼女のたくましくもセクシーな太腿で首を絞めてもらいたいのだ。そこでだ、ここが肝心なことだがマーサは私に恨みを持っているらしいからな、ほんとに私が気絶する寸前で止めてくれよ、わかったな?」

突然、彼は照れ隠しのためか命令口調になる。喋り終えた市長は、さかんにシルクハットを直したり、何度も口ひげに手をやったりしている。

「へいへい、お安い御用ですよ。市長はなかなかユニークな趣味をお持ちで・・・へへへへ、しかしマーサは想像以上にパワーがありますが大丈夫ですかい?」

マーサは素裸の上に赤いブーツ、カウボーイハットとガンベルトを装着したアブノーマルな姿だ。その上食卓からの緊縛は解放されたが、まだ後手に縛られているという不自然さだ。

「ウウウ、そこだ、私も危ないと思うのだがそれを聞くと、なおさらこの捕われの女王様にお願いしてみたくなるのが、私の困った病気さ」

「もうひとつ、あの件をバラせばマーサも本腰でやりますぜ!」とダグ・ハクソー。

「それはなんだい?」

「例の小学校教師だったケイト・ドレイクですよ、あの娘にゃ市長はいたく御執心で、ここに毎晩やってきては抱いていたじゃないですか。マーサはあのケイトの妹なんですぜ」

「ほう、それは奇遇だな、ケイトの妹ならあっちのほうもさぞかしオイシイだろうな?」

「なんですって!?市長までが私の姉を犯したの!赦せない、赦せない、赦せない!お前たちは人間じゃないわ」変態市長の欲求など絶対に無視しようとしたマーサだが、体の底から怒りが込み上げてくる。

縛られたマーサが複数の男たちに適うはずがなく、結局またもやオモチャにされてしまうだろうが、ここは市長の妖しい欲望を逆手にとって思い切り懲らしめてやらなければ気がすまない。
しかしマーサを巧みにその気にさせて、後で倍返しに悪辣なイタズラをしようと企んでいるダグの悪知恵の前に、しょせんお嬢さま育ちのマーサは歯が立たないようだ。

「ホラ、私が言った通りマーサが本気になりましたよ、それじゃ市長張り切ってどうぞ。だけど知りませんよ、かなりヤバイですぜ!マーサは美しい傷ついた女豹ですからね」

恐る恐るマーサに近づいた市長のテッド・レイノルズにマーサは縛られたままキレイなハイキックを浴びせる。驚いて倒れた市長をすかさずマーサは太腿でグイグイと首を絞める。

「うわっ!こ、こんなのはナシにしてくれ、マーサ、本気になるな、これはプレイだよ。プレイ・・・」

「私の方こそ願ったりだわ、この豚め!権力にまかせて弱い女をレイプするなんて・・・絶対に許せないわ!」

「ウウウウッ・・・苦しい〜、や、やりすぎだ、やりすぎだ、オイ、はやくだれかマーサを、マーサを止めてくれ・・・ウウウウッ・・・こ・ろ・さ・れ・る〜〜」
あわてて止めようとしたレッドの腕をダグがグイと押える。マーサのたくましくかつ悩ましい太腿がテッド・レイノルズ市長の猪首を締め付け、市長はえもいわれぬ陶酔と恐怖感の二つに男のモノを屹立させてもがいている。

「市長さんのお楽しみを邪魔する事はねえよ、こいつはなかなかおもしれえ余興だぜ、なあに、まだ大丈夫だよ、死にはしねえよ」

「おのれ、おのれ、お姉さまの恨み思い知れ!」

マーサの強靭な太腿で絞められては、ブヨブヨの体の市長などひとたまりもない、「グッ、グエグエ」とか言いながら胃からゲロしている。顔が土気色になり、とうとう落ちてしまう。

「おやおや、市長のやつ伸びちまったぜ、よし、そろそろ止めてやりな、フフフ、マーサよ、これだけやりゃあ後で市長もおまえに仕返しがしたくなるだろうなあ、どんな責められ方をするのかこれもまた興味があるぜ」

たちまちマーサにレッドとトム、それにスミス警視正までもがまとわり付いて市長の首から長い美脚をやっと振りほどく。

「あっ、はなぜ、はなせったら・・・こんな、こんな最低の市長なんか私が絞め殺してやる!」

「元保安官ともあろうお前が、そんな問題発言していいのかな?お前はいま微妙な立場にいるんだぜ、フフフ、後でそのわけが分かるよ」

新入りのスミス警視正がマーサに冷酷に言う。こいつは瞬きしないで人をじっと見る爬虫類のようなやつだ。
マーサがハクソー一味の悪状を暴いて、根こそぎ逮捕を予定し、州警察の出動を要請したのだが、それを握りつぶし、ハクソーに有利に運んだのがこいつなのだ。

スミス警視正がいなかったら、マーサもハクソー一家に捕われることはなかっただろう。
やつもマーサにとって憎むべき敵なのだ。

市長から引き離されたマーサは、男たちに縄尻を取られ、そのままイスに雁字搦めに固定されてしまう。スミス警視正はマーサを例の瞬きしない目でじっと観察する。

「すばらしい美人だしその上に強靭な肉体を持っているようだが、このおれはそんなことにちっとも心を動かされないんだ。マーサ、これからお前に二三質問をする。なに、もう調べは大方ついているのだし、レッド・タイラー保安官からも重要な証言があったからな、おまえの反応を見ればプロのおれには充分なのだ」

自分の知らないところで、何か大変な事態が起こっているらしいことを感じ取ったマーサは、こわばった顔で血も涙のなさそうなスミスを見て、それからチラとレッドを見た。レッドの名前も挙がったからだ。スミスはつかつかとマーサに近付き、顔を間じかに近寄せ、マーサの顎と頬をがっしりと掴んで、強い力で強引に自分の方を向かせる。レッドはなにか複雑な暗い笑いを浮かべている。

「へっへへへ、お前のようなナマイキな女はおれの趣味としては、少々拷問にかけて痛い目にあわせてやりたいが、今日は市長のお楽しみがあるから、それは後日にしようぜ、それじゃな、ちょっとお前に見てもらい物があるんだ」

相変わらず右手の強靭な握力でマーサの顎を捕えながら、左手は上着の内ポケットを探り、一枚の紙を取り出した。

「さあ、こいつをよく見ろ!」それは似顔絵だった。しかしそれを見てマーサの顔色がはっきり変わったのだ。

「フフフフ、この顔に見覚えがありそうだな、どうだ、よく特徴を掴んで描いてあるだろう?そりゃそうだ、これはおれが直々に書いたものだからな」

その似顔絵は誰あろう、マーサの最愛の人、NY市警のエリートのリチャード・ケントだったのだ。

『しかしなぜリチャードをこいつらが知っているのだろう、おまけになぜレッドまでが関係しているのだろう?』と考えたマーサの鋭い頭脳に、突然、一人の忌まわしい男が思い出されたのだ!

マーサはこの町に着任して、初めてレッドに会ったとき何か妙な違和感に包まれた。
『この男の顔は見覚えがある・・・』
しかしニューヨークからはるばる到着した町に以前あった人がいるなどとは考えられず、そのままマーサは気に止めていなかったのだが、今、不意にその謎が解けたのだ。

『そうだ、レッドが似ているのはあの男・・・私をしつこくストカーして、NYのヤクザの大物ワン・リーといっしょに私が逮捕した男・・・サム・タイラー!しかもレッドと同じセカンドネームだわ!!もしかしてこいつらは兄弟!?』とすればこれに係わったリチャードが浮かんでくるのも何となく分かるし、しかもスミス警視正らが絡んでくるとすれば・・・マーサの心の中に大きな不吉な予感が漂い始める。

「そうだよ、お前がよく知ってるNY市警の若干二十七歳のエリート警部リチャード・ケントだよな?そして、ウヒヒヒヒ、このエエトコのボンボンとお前は惚れ合っていて肉体関係があったんだろう?エエ、どうなんじゃ、何でも週に何回も会ってハメあっていたというじゃねえか!やい、はっきりしろい?」
スミスは居丈高になってマーサを訊問する。

最愛の恋人の名前ををこんな状況で突然出されたマーサは心の中で大きく動揺するが、必死にそれを隠そうとする。しかし、捜査のプロのスミス相手では無駄な努力に過ぎない。

「こいつは恐れ入ったね、このお嬢さん顔でもう愛人をつくっていたのかよ、マーサ、おれたちをだましやがったな!」

ダグはじめレッド、ハクソー兄弟が凶悪な人相に変わって女保安官スタイルで拘束されているマーサに詰め寄る。

「イヒヒヒ、マーサよ、その色男とはどんな風にいちゃついてたんだよ、ちょっと教えてみろよ。しかしおれたちのほかにマーサといちゃついてたやつがいるなんて赦せねえ、絶対に赦せねえ、チクショウ、いつかそのリチャードとかいう若造を生け捕りにしてマーサの前で痛めつけてやる。そのあとは逆に野朗の見ている前でマーサをたっぷりレイプしてやるぜ」

やつらはすっかり自分たちの手中に落ちたと信じ込んでいたマーサの心を、今も東部の若いエリートが独占しているらしいことを知って、妙な激しい嫉妬心を全身に感じて、またもや欲情に目を異常なまでにギラギラさせてマーサに迫るのだ。

危うしマーサ・ドレイク!

どうやら西部に咲いた大輪の赤い薔薇、男勝りのスーパーヒロイン、マーサ・ドレイクの身の上にまたもや暗雲が立ち込めようとしている。

待たれよ次号!


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