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  『虐囚 〜魔窟に囚われし心〜』 (1)                       久遠 真人作         

【1】それは1通のメールから始まった・・・・・・


「こらぁ、そんなに私の授業はつまらないか?」
「いってぇ!!」

教室に凛と響く美声と、激しい衝撃で俺は目を覚ました。
寝ぼけ眼で見上げると、目の前に担当の女教師が腕を組んで立っていた。
手には教科書を丸めて持っている。どうやらソレで頭を殴られたらしい。
いつのまにか居眠りをしてしまっていたようだ。


女教師の名は、巴 静香(ともえ、しずか)、26歳。古典教師にして学年主任。おまけに柔道部顧問である。
大きすぎて腕組みした腕の上に乗せ上げるように存在をアピールするGカップの巨乳が、下から見上げると見事な迫力だった。
その胸の谷間から、俺を見下ろす美貌は、今は呆れたように俺を見下ろしている。
気の強そうな太めの眉、澄んだ黒瞳が魅力的な切れ長の目、思わずふるいつきたくなるような官能的な唇、肩まである艶やかな黒髪、どれをとっても俺が知る女の中で一番だ。
普段は野暮ったい黒縁眼鏡と薄化粧で当人は隠しているつもりのだろうが、その下に隠された美貌は隠しようがなかった。
それはもちろん、彼女の完璧なプロポーションにも言えた。地味なグレーのスーツズボンに隠された、運動によって引締まり贅肉のない見事なプロポーションは、学校中の垂涎の的であった。


「こら、まだ寝ぼけている?」

彼女の言葉に俺はハッと現実に戻される。

「涎・・・・・・垂れてるぞ」

苦笑いされながら指摘され、俺は慌てて手の甲で拭う。
そんな俺を見て、彼女は深く溜息をついた。

「深夜までネットでエロサイトでも見てたのか?、若さ故だろうが、ほどほどにな」
「なっ・・・そ、そんな事は・・・・・・」

彼女の言葉と俺の反応に他の生徒どもが「図星かよ!」とドッと笑う。
そんな彼女は肩を竦めると、教壇に戻って授業を再開した。



巴 静香が赴任してから3年目になる。
県内でも有数の不良校・・・それが、俺が通うこの学校だ。元は『スポーツを通して、素行の悪い生徒を更生させる』という名目で立てられたモデル校だったが、度重なる不祥事で、その計画は頓挫しかかっていた。特に喧嘩ぱやい連中が多かったせいか格闘技系の部は確かに強く、大会に出場すれば上位入選の常連校であったが、不祥事による出場停止ばかりで、その実力を発揮されるのはもっぱら路上でばかりだった。
そんな学校が、テコ入れと称して招いたのが彼女・巴 静香だった。
元は柔道オリンピック候補にもなったと噂の女傑で、問題を起こす生徒を道場に呼んでは、練習試合と称して、その鼻っ柱をへし折っていった。どんな大男も軽々と投げ飛ばし、締め技で気絶させられた。そういう俺も、彼女に地に這わせられた1人だった。
そうして、彼女はこの3年で学校の風紀を正し、一部の関係者から「女帝」やら「静香御前」やらと恐れ崇められていた。
今では、彼女に正面切って逆らう者はおらず、時折、彼女の実力を知らない新入生や他校の馬鹿共が帰路で不意打ちをかけが、その全てが返り討ちにあっていた。
その公正潔白な性格と美貌もあり、今では学校内外で伝説になりつつある存在であった。



授業終了の鐘が鳴った。
欠伸を噛み殺し、なんとか午後の彼女の授業を乗り切ると、俺は急いで帰路についた。
俺が帰宅を急ぐには理由があった。それは、この寝不足の原因でもあり、静香に指摘されたネットのサイトというのも事実だった。

そのサイトの名は・・・・・・

・・・・・・『ヘブンズ・ゲート』・・・・・・

美人美女をターゲットにしては、痴漢、輪姦、時には誘拐、調教してサイトで公開するアンダーグラウンドなサイトであった。

「・・・・・・また、新しい映像がアップされている・・・・・・」

サイトにアクセスしてページを開くと、点滅する「NEW」の文字が目に入った。
俺は一瞬の迷いの後、マウスを操作しカーソルをあわせると、そのファイルをクリックした・・・・・・



このサイトに辿り着いたのは、一通の間違いメールが切っ掛けだった。
そのメールには、そのサイトが如何に興奮するかを熱く語る内容で、熱心に送り先の人物に薦めているようだった。更に、文面の最後にはサイトのゲスト用IDとパスワードが書かれていた。
本来なら、この手のメールはスパムメールの類として処分してしまう俺だったが、メールに添付されていた画像をなにげなく見た。
その画像は、いわゆるSM系の画像であった。
拘束具で自由を奪われ、複数の男達に犯されている少女の写真・・・・・・その写真に、目を奪われたのが理由だった。
それまで、SMとかに興味などなく、どちらかというと嫌悪すら感じていた・・・・・・だが、その写真の少女が俺の元カノ・柊 真琴(ひいらぎ まこと)だと気付いた瞬間、背筋が逆立つような、得も言われぬ感覚に襲われた。
真琴とは、幼少の頃から地元の道場で一緒に通う仲だった。同じ学校にも通う、いわゆる腐れ縁というやつだった。そんな俺らだったが、ふとしたキッカケで交際するようになった。だが、俺が受験に失敗し、今の学校に入ると共に徐々に腐っていくと、俺は彼女との距離を次第に離していった。
勝気で世話焼きな真琴は、俺を何度も正そうとしてくれた。だが、そんな真っ直ぐな彼女が俺には眩しすぎた。嫌がる真琴に俺から一方的に別れを切り出し、それ以来、会わないようにしていた・・・・・・そんな真琴が・・・・・・

早鐘のように打ちつける俺の心臓。
逸る気持ちを押さえつけ、何度もパソコン操作を間違えながら、そのサイトへと辿り着いた。
そこで、絶望的な彼女の姿を観ることになった・・・・・・


事の始まりは、彼女の友人をターゲットにした痴漢行為から始まったらしい。
電車内で複数の男たちに取り囲まれ、他の乗客から遮断された、嬲られる少女。
真琴は、その友人の状態に気付き、サイトの仕掛け人の1人を捕まえ警察に突き出したのであった。
そんな彼女に対して、サイトメンバーは次の狩猟のターゲットとして彼女を選んだのだ。
メンバー達によって、彼女の個人データが次々と暴かれ曝されていった。
名前、年齢、身長、体重、スリーサイズ、実家の住所や家族構成、通う学校と交友関係、普段の行動パターンから趣味嗜好。俺の知っていることから、家族でも知っているかもわからない情報がビッシリとサイトには書き込まれていた。
そして、有志のメンバーによって真琴を襲う計画が立てられていった。
ちょうど折しも、真琴の両親が会社の慰安旅行で数日、家を空ける予定があった。
黒塗りのバンで真琴の家に張り付き、彼女の両親が出掛けるのを待ち構える。
そして、外出を確認すると、宅配便配送者に扮したメンバーがインターフォンのボタンを押した。なんの疑いもなく対応にでる真琴・・・・・・その腹部にスタンガンが押し付けられた。

不意を突かれ、スタンガンで身体の自由を奪われ・・・・・・

家の中に入り込んできた男たちによって、リビングに引きずられていく・・・・・・

普通なら簡単になぎ倒せるような男たちに次々と服を剥ぎ取られ、悔し涙を浮かべる真琴・・・・・・

健康な柔肌に、黒革の拘束具が次々と装着され、自由を奪われていく様に嫌悪と悲鳴をあげる・・・・・・

裸体を革ベルトで戒められ、慎ましい乳房が根元から絞りだされ、スラリとした美脚が、蛙のように折り畳まれ・・・・・・

アイマスクと開口具のついたヘッドギアを、嫌がる頭に無理やり装着され、リングギャグの合間から、唾液に濡れ光る舌を無残に出す姿を曝される・・・・・・

そうして身体の自由を奪われ、不安げに嗚咽を上げる真琴・・・・・・

大きな電化製品の段ボールに押し込められ、何食わぬ顔で、家から連れ出されてしまった・・・・・・


その一部始終が克明に映像記録としてサイトにアップされていた。それを見て俺は・・・・・・

・・・憤りを覚えるでなく・・・

・・・彼女を助け出さなければいけないと思う出なく・・・

その後、真琴がどうなったか・・・・・・想像して興奮している俺がいた。
理性では、『そんなのではいけない!』『彼女を助けねば!!』と訴えている。
だが、俺は股間を大きく膨らみ、興奮に息を荒々くなり、心臓の鼓動は激しく打ちつけ、身体の震えが止まらぬほどの、今まで感じた事のない興奮状態にいた。
そして、俺は迷うことなく、その後に続く、彼女への調教記録を閲覧していった。


身体の内部までカメラに曝し、様々な卑猥な道具達によって身体を開発されていく彼女・・・・・・

媚薬にて理性のタガを外され、狂ったように男根を求める真琴・・・・・・

浣腸で強制排泄を促され、カメラの前で派手に臭便を垂れ流す真琴・・・・・・

穴という穴を、何人もの男達によってたかって犯され続ける真琴・・・・・・

三角木馬に乗せ上げられ、鞭打ちに失禁して、達するように調教される真琴・・・・・・

敏感な乳首とクリトリスにピアスを打たれ、痛みに涙を流しながら、失禁しながら達する真琴・・・・・・

そのどれもこれも、本来なら見るに堪えない画像のはずだ・・・・・・

だが、俺は画像一つ一つ見るたびに、脳が痺れるような興奮に何度も何度も達していた。



そうして、迷いながらも今日もまた、このサイトへと足を踏み入れる。

だが、その日、新たに来た一通のメール・・・・・・


それが、俺にある決意を促したのであった・・・・・・




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