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  第一話 獲物発見

仁は今年高校2年生。親は開業医をやっている。幼少の頃より英才教育を受けてきたが思春期の反発から全く勉強せず、今では成績も下から数えたほうが圧倒的に早い。しかも学校の不良グループに入り度々警察の世話になっていた。

 夏休みに入ったある日、仁は悪友の一人聖志の家にタムロしていた。聖志の家は今両親が海外旅行に行っており誰も家にいない状態だ。それをいいことに仁はしばらく聖志の家に厄介になるつもりでいた。「お前ん家、エロ本何冊あるんだ?」仁は聖志の部屋のエロ本コレクションを見ながらつぶやいていた。「本が100冊だろ、ビデオが30本、そんなところだよ。でも大半は高次と孝雄と直也が持ってきたんだぜ。」聖志はそう言いながらビデオをデッキに入れると仁に見るように促した。「こっこれ、」仁は我が目を疑った。「これ外人の裏ビデオじゃねえか。」ビデオに見入る仁をよそに聖志は高次と孝雄と直也の3人に電話をかけていた。1時間もしないうちに聖志の家には3人が来て、夏休みをいかにして有意義に過ごすか話し合っていた。「なあ、やっぱり童貞捨てるべきだよ」直也は興奮口調で語っている。「でも犯らせてくれる女なんていないぜ」孝雄が冷静に話す。「じゃあ、ナンパか」高次は嬉しそうに同意を求めた。「そうだな、ナンパしかないな」聖志は自分の部屋から見られる海を見渡しながら決断したように言った。仁は「今から偵察に行こうぜ」とみんなを誘った。目的をもった5人は焦る気持ちを抑え海へと足を向けた。

さすがに夏の海だ。女がわんさか居る。5人は可能な限り海を歩き女を物色した。下は女子中学生、上はOLまでくまなく物色して歩いた。「そろそろ声でも掛けてみようか」仁はターゲットを絞り声を掛けてみることにした。声を掛け始めてから3時間。仁たちは未だにGETできないでいた。ある女には全く相手にしてもらえず、ある女にはあまりのしつこさにビンタを食らった。それでも諦めず声を掛け続けた。それからしばらくして仁達は人が居なくなっていく事に気づいた。辺りを見回すと日が暮れて灯台には明かりが灯り始めていた。「やっぱりこんなものか。」仁と聖志は口を合わせて何が悪かったのか反省すると共に明日こそはがんばろうと決意するのであった。と、突然直也が「今日は聖志の家で反省会しながら作戦考えようぜ」と言い出した。それに反対するものは誰一人いなかった。家に帰る途中スーパーに寄り晩御飯と花火を買って聖志の家に帰った。家に帰るなり討論会が始まった。自分の不甲斐なさに憤慨する者、人のせいにして責任をなすりつける者、話し始めてから2時間たつが一向に話は進展しなかった。徐々に話は誰が悪いという責任転嫁になりみんな我を忘れてけんか腰になっていった。ここで切れた高次が叫んだ。「もういい。みんな悪かったのだ。悪いのは女共なのさ」4人は妙に納得してしまい気晴らしに花火にいくことにした。海では家族連れなどが同じように花火を楽しんでいた。仁は暗い浜辺を見渡した。するとある一点で止まった。女の子が2人で楽しそうに花火をしていたのだった。


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