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 第11章 ともみ4

1.

男たちはともみのところに戻ってきた。
結局ともみは水を飲むことができなかったようだ。
さんざんもがいたためか、鼻の穴のふちは少し赤くなっていた。
男たちは水を抜き、鼻フックを緩めた。
浮力があったとはいえ、長時間背伸びをした態勢であったので、ともみはへたり込んでしまった。
脱水状態になってしまってはまずい、という年上の男の意見で、ともみにはコップ2杯の水が与えられた。
むさぼるように飲むともみ。
コップの中の1滴の水も逃さぬように丹念に飲み終わったあと、その姿をちょっと恥じたのか、小さな声で
「ありがとうございました」
と礼を言いつつコップを返す。
「さて、ともみさん。いいかげん、自白しませんか?あるいはひとみさんの行動を何か隠していませんか?」
「私は本当に無実なんです。何かの間違えです。家に連絡させてください」
「困りましたね。あなたかひとみさんのどちらかがスパイなんですよ。あなたが自白もせず、ひとみさんにも疑わしい点がなければ、再度身体に聞きましょうかね」
「いや!やめて!」


2.

ともみは全裸で椅子に縛り付けられていた。
その椅子は、床の上に置いてある台に固定されている。
台は油圧で動くようになっており、ゆっくりとゆれるような動きをしている。
「この責めはきついですよ。終わる頃には何も考えられなくなってますから、自白の文言か、ひとみさんの疑わしい行為を今のうちに考えておいたほうが良いですよ」
男たちはそういって、部屋を出て行った。
(なんだぁ。まるで船に乗ってるみたいでふらふらしてるだけじゃない。これできついの?)
ともみは、どう言えば誤解が解けるかを真剣に考えていた。


3.

30分ほどして・・・。

ふと気が付くと、ともみは胃のあたりがむかむかし始めたのに気が付いた。
(さっき、水を急いで飲みすぎたかしら)
そう思ったが、それとはちょっと違う感じである。
(そういえば、この感じ、昔も経験したことがあるわ。確か・・・車酔い!)
正確には、この台は「船酔い」を起こさせるための台である。
船酔いというのは、特定の周期のゆれが発生すると、かなりの人が酔ってしまうことがわかっている。
そしてこの台は、人間が一番酔い易い周期でゆれていたのだ。
(気・・・気持ち悪くなってきたわ)
「誰かいませんか?台を・・・台を止めてください」
ともみは大声で叫んだが、何の反応も無い。
(いや!。揺らさないで止めて。普通の地面の上に下ろして。気持ちが・・・ウッ)
ともみは戻してしまった。
それでも、台の揺れは止まらない。
(ううっ。気持ちが・・気持ち悪い・・・。胃がむかむか・・・ウッ)
ふたたび戻しそうになった。
しかし、もともと、胃の中には先ほど飲まされたわずかばかりの水分と、胃液しか入っていない。
1度目でほとんど空になっており、戻そうにも戻すものが無い。
しかし、胃は一生懸命戻そうとしている。
「い、いや!・・ウッ。・・・だ、誰か・・・ウッ。た、助け・・・ウッ」

To be continued


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