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 第2章 ひとみ1

1.

ひとみは不安そうな表情で取調室の椅子に座っていた。
ひとみが買い物から帰るとともみはいなかった。普通は出かけるときに必ず書き置きをして出かけるともみなので変だとは思ったが、根が楽天的なのでホテルの中をふらついているのかと気楽に考えていた。
しかし、小一時関しても戻らず、やきもきしているところに誠実そうな男が訪ねてきた。彼は警察手帳を示した上で、ともみが事件に巻き込まれた可能性があることを告げた。
そこでひとみは男と共に警察の地下にやってきた。男はひとみを残して別室に消えた。
一人残されたひとみは、ともみの身を案じていた。が、同時に何か引っ掛かるものも感じていた。
(まあいいわ。いざとなればこの身1つ、合気道で身は守れるし・・・)
そう考えていると、ドアから3人の男が入ってきた。先ほどの誠実そうな男の他、それの上司らしい年上の男と、大男の3人である。
年上の男がひとみの前の椅子に座り、残る二人はドアのそばの壁に寄りかかった。
「さて。単刀直入にいおう。お友達のともみさんとあなたはスパイ容疑で逮捕させてもらった」
ひとみは一瞬思考が停止した。
(ともみさんとあなたは・・・ということは私も?)
「素直に例の物を出してくれれば手荒な真似はしないのですが、出してくれませんか」
年上の男が言葉を続けた。
「そ・・・そんな馬鹿な!あたしもともみも単なる観光客よ、旅行者よ。そんなわけあるわけないじゃない!」
「・・・でも証拠があるんですよ。おっと、詳しくは言えませんがね」
「そんなのおかしいわよ。なんか間違ってない?」
「まあ、そういうとは思っていました。そこらはおいおい明らかにするとして、まずは身体検査をさせてもらいますか」
ひとみは椅子から立ち上がって壁際に身体を寄せた。同時に別々の方向から襲いかかられては技の出しようがないからだ。しかし、それも杞憂だった。年上の男の言葉に反応した大男がひとみの身体を押さえ付けようと襲ってきた。
ドン!
大男の身体は一回転して床に叩き付けられた。
年上の男が目を細めた。
「ほお、合気道ですか。なかなか厄介な技をおもちですね」
「そうよ。合気道3段。近寄るとイタイ目に遭うわよ」
「たしかに近寄ると怖い。でも合気道は攻撃はできないだろ?」
ひとみは合気道の弱点を見破られて困惑した。
(どうしよう・・・このままじゃ膠着状態だわ)
しかし、男達の方が一枚上手だった。
年上の男が、机の中にあった装置をいじると、天井からテレビが降りてきた。
「あっ!ともみ!」
そこには苦痛に歪んだともみの顔が大写しになっていた。
画面が引くと、ともみは全裸になって台に括り付けられていることがわかった。しかも、そばにたっている優男が、ともみの乳首をつまんでねじり上げている。
スピーカーから音声が入った。
「痛い、痛い、ちぎれちゃう!やめて、やめて!」
不意に音声が途絶えた。男が手を離したからだ。年上の男が話し始めた。
「ともみさんが我々の手の中にあることを忘れてもらっては困るな。あなたが抵抗すればするほど、ともみさんが痛い目にあうんですよ」
「・・・ひ、卑怯よ!」
「そうですか?では続きを・・・」
画面の中で、男がともみの乳首を引っ張るのが見えた。ともみは再び悲鳴を上げる。
「わ、わかったわよ。止めて!」
「はじめから素直になれば、ともみさんも痛い目に遭わなかったのにね」
「・・・で、どうすれば良いの?」
「そりゃ、身体検査ですから、生まれたままの身体になって貰いましょう」


2.

「そ・・・そんな・・・」
「嫌ですか?」
「・・・い・・・いえ。脱ぎます脱げばいいんでしょ?」
ひとみは、ともみと違ってTシャツに黒のジーンズという軽装だった。Tシャツを脱ぐと、上半身に付けているものはブラジャー1枚になった。はちきれんばかりの乳房がFカップのブラに締め付けられるようだった。
ついで、ひとみはジーンズを脱いだ。
ストッキングをはいていなかったので、白のハイレグのショーツが目にまぶしい。
ひとみは男達の様子を伺ったが、とてもそれだけで許して貰えるとは思えなかった。
(どうせ誤解なんだから、パッパと済ませちゃったほうがいいわね。下手に抵抗して身体を触られるのはごめんだわ)
ひとみは開き直って、ブラを外しショーツを脱ぎ捨てた。そして、自分の身体を誇示するかのように両手を腰にあてて仁王立ちした。
「どう?なにも隠してないでしょ?これでいい?」
そういうひとみの顔は羞恥でほんのり赤みがさしている。
「いやあ、立派な身体ですね。確かに一見、隠していないようです。でも、女性には隠すところが男性より多いですからね・・・」
「えっ!、ま・・・まさか・・・」
「たぶん、ご想像の通りです。女性器の中というのは文字通りの穴場ですから、へへへ」
年上の男は、自らのくだらない駄洒落に最後は照れ笑いした。
ひとみは自分の判断が甘かったことに気が付いた。考えてみれば、単に調べるだけならとうの昔にともみは服を着せてもらっているはずだ。いまだに拘束されているということは、よほど誤解がひどいに違いない。ここは一旦、逃げて日本大使館に駆け込むのが一番だ。
そう判断したひとみは裸のままドアのほうに駆け出した。
こりもせずに大男が取り押さえようと襲い掛かってきたが瞬時に投げ飛ばしてしまった。あとはドアとの間には年上の男しかいない。
(倒すことは無い。一瞬ひるませてドアから逃げればいい)
そう判断したひとみは、年上の男に平手打ちをかました・・・つもりだった。しかし、急にひとみの視界がぐるぐると回ったかと思うと、きがついたら床の上にうつぶせになり、両手を押さえつけられていた。ちょっとでも動かそうとすると腕に激痛が走った。
「言い忘れてましたがね。私も合気道をちょっとかじってまして、6段の免許をもらってます」
年上の男は、床に伸びている大男に命じて拘束具をもってこさせた。
「こういう元気な娘さんにはこういうのがぴったりですからね」
長さ1メートル位の棒の両側に手錠、真中に首輪がついており、ひとみの両手は首と一直線になるような形で、ちょうどガッツポーズをしているような角度で固定された。
そして、右ひざと右手首、左ひざと左手首を手錠と鎖でつないだが、鎖の長さは60センチほどしかない。
「おい、じゃあ、こっちにこい」
ひとみは立ち上がろうとしたが、鎖が短く、中腰以上に腰を伸ばすことが出来なかった。
しかも、股を閉じようとしても、90度が限界で、それより閉じようとすると不自然な前傾姿勢になってしまい、とても歩くことが出来ない。
結局、足を90度に開き、右手右足、左手左足を、それぞれ同時に出しながら、のっし、のっし、という感じで歩かざるを得ない。
ちょうど、相撲のすり足の稽古のような格好である。
二十歳過ぎた妙齢の女性が、股を広げながら蟹股で歩く、というのはきわめて屈辱的であった。
ひとみは屈辱で顔を真っ赤にしながら、二人の男に連れて行かれた。


3.

ひとみが連れ込まれた部屋には、天井から1本の鎖がつる下がっていた。
床から1メートルほどのところまで垂れ下がっていた。
その鎖にひとみの首輪が結び付けられた。
ひとみが倒れると、首輪と鎖が絞首刑の紐の役割をすることになる。
ひとみは中腰の姿勢のまま横になることが出来なくなった。
男たちはひとみが動けない状態であるのを確認して、ひとみの身体を調べまわった。
「いや!!やめて!!そんなところは見ないで!触らないで!」
ひとみは唯一自由になる首を左右に振って、大声で叫ぶが男たちは気にも止めない。
蟹股の大股びらきの体勢をとっているひとみの下に寝転ぶと、ひとみの性器、肛門を丹念に調べまくった。
さきほどのともみと同様、あるいはそれ以上に丹念に調べまくった。
特に、先ほどらい、2度に渡って投げつけられた大男は復讐だとばかり、職務以上の熱心さでひとみをいたぶった。
単に異物の有無を調べるだけではなく、本来ならば触る必要の無いクリトリスなども、引っ張ったり、つまんだり、ねじったりしてひとみの反応を伺う。
ひとみは嬲られているのに気が付き、できるだけ無表情でいようと決めてはいたが、それでも女の性、つい腰を引いたり、短く悲鳴をあげる。
「どうだ?何か見つかったか?」
年上の男が大男に声をかける。
「なにも無い感じですね」
「そうか。じゃあ、もう一人の方に聞いてみるか」
「そうですね・・・。」
大男は残念そうにひとみのいたぶりを中止した。
「それじゃあ・・・ひとみさん、とかいったね。ともみさんの様子を伺って来るからしばらくそのままで待っていてくれよ。何か自白する気になったのなら、このボタンを押すといい」
そういって、ひとみの右手にボタンのついたマッチ箱大の機械を握らせた。
男たちがそのまま出て行こうとするので、ひとみはちょっと慌てた。
このままの姿勢でずっと耐えることは出来ない。
「ちょ、ちょっと待って!。私は無実よ。ここから出して。日本大使館に連絡して」
「まさか、私が有罪だ、というスパイはいませんからね。もっとちゃんと尋問しないとね」
「もう足ががくがくなの。せめて鎖を解いていって!」
それを聞くと、年上の男は部屋に戻ってきた。
「そうか。でも鎖を解くわけにも行かないから、椅子を持ってこよう」
そういって大男に椅子を持ってこさせた。
しかし、それは椅子とは名ばかりのものであった。
高さは50センチほどあって、座れば首吊りにはならなくて済む。
しかし、その座るところが自転車のサドルのような形をしていて、そこから2本の角が飛び出ている。
「いや!こんなんじゃなくて、普通の椅子を持ってきて!」
「あいにくですね、ひとみさん。ここにはこの特注の椅子しかないんですよ。ちょっと座りにくいでしょうが我慢してください。女性専用の椅子ですから、われわれ男性だと座れませんが」
そういって、ひとみのすぐ脇に特製椅子を置くと部屋から出て行った。

To be continued


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