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 第5章 初日の夜

1.

男たちが戻ったとき、ともみは失神していた。
身体を吊り上げて、全身をシャワーで洗い流している際に意識は戻ったが、朦朧としていた。
それだけ精神的なショックが強かったのだろう。
男たちによってパンティーとTシャツを着せられ、抱えられるようにして牢屋に連れて行かれた。
ひとみの方も状況は同じだった。
ともみを牢に入れ、戻ってきたときにはほとんど意識が朦朧としていた。
しかし、性器だけはまるで別の生き物のようになまめかしく蠢いていた。
ひとみを台から下ろし、拘束具を取り、同じくシャワーで洗い流したが、体力が尽きたのか、目が半開きの状態でピクリとも動かない。
同じように下着とTシャツを着せられ、ともみと同じ牢に入れられた。


2.

夜半になり、ひとみは人がすすり泣く声で目を覚ました。
「と・・・ともみ?」
「ひとみ!」
2人はお互いの肩を抱き合って泣き出した。
逃げようにも、牢にはかぎがかかっていて逃げられない。
外部への連絡も出来ない。
あとは九条財閥が動いてくれるはず、というともみの言葉を信じるしか
手は無かった。


3.

そのころ。
ともみからの定時連絡が無く、ホテルに電話したら「そんな客はいない」といわれ、事態を知った九条財閥は、財閥お抱えの優秀な諜報部員をA国に派遣することにした。
森長直美。
コードネームはアニーである。
単なる情報のスパイ活動だけではなく、秘密サンプルを盗んだり、同財閥の人員を人質に取った脅迫事件の解決など、八面六臂の活躍を見せた優秀な美人諜報部員であり、同財閥の諜報部のエースでもあった。
アニーはすぐさま空路A国入りし、ホテルへと向かっていた。


4.

それとほぼ前後して。
J国の諜報部は自国のエージェントの死亡と、誤認逮捕で同国人が秘密警察に逮捕されたことを知っていた。
自らの組織のミスにより同国人が逮捕されてしまったのだ。スパイ活動は非合法なので、外交ルートを使うわけには行かない。
そこで、諜報部のエースである紅 霞を現地に派遣した。
霞は幼い頃からくの一の修行を受け、まだ若いのに百地流の免許皆伝となっていた。
霞は柿色の忍び装束を身にまとい、ポニーテールの髪をなびかせながら、秘密警察のある場所へ急いでいた。

霞とアニー。
2人がその存在を知らぬまま、独自に行動を起こしたことが更なる悲劇を生むのであった。

To be continued


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